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【夜間中学はいま】(20)それでも勉強したい 通学に往復5時間、親と離れて

フィリピン人の双子で兄のジョシュアさん(右)と弟のジェリーマイヤさん。入学要件が緩和され、夜間中学に通えるようになった=大阪府豊中市
フィリピン人の双子で兄のジョシュアさん(右)と弟のジェリーマイヤさん。入学要件が緩和され、夜間中学に通えるようになった=大阪府豊中市
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 夜間中学は9都府県に33校あるが、大阪(11校)や東京(8校)などの都市圏に集中している。文部科学省は各都道府県、政令市に1校以上の設置を促すものの、なかなか進まず、入学を希望してもあきらめざるをえないケースは少なくない。そんな中、他県から大阪の夜間中学にたどりついた2組の兄弟がいる。

■“越境”

 「夜間中学に通えるようになったと聞いて、本当にうれしかったです」。大阪府豊中市立第四中学校夜間学級に今年4月に入学したフィリピン人の双子で、兄のベネディクト・ジョシュア・カラトバラさん(19)と弟のベネディクト・ジェリーマイヤ・カラトバラさん(19)は笑顔でそう語る。

 自宅があるのは兵庫県丹波市。大阪府教育庁が今年度から夜間中学の入学要件を一部緩和して府外在住者の通学も個別に認めるようになり、その適用を受けた7人のうちの2人だ。

 数年前に来日したときは昼の中学校に通ったが、事情があり2カ月で帰国。昨年7月、再び日本に来た。高校に行きたいが、日本でもフィリピンでも中学校を卒業していないため受験資格がない。だが学齢を超えているため、昼の中学校には通えない。夜間中学も兵庫県内には神戸市と尼崎市に計3校あるが、入学できるのはいずれも市内在住・在勤者に限られている。

 役所などに相談したがどうにもならず、悶々とした思いを抱えながら日本語教室に通っていると、大阪府が府内在住者に限っていた入学要件を緩和することを知り、入学が認められた。

 電車を乗り継ぎ、往復5時間かけて丹波市から豊中市まで毎日通学。授業は午後5時40分から9時までで、「授業を受けている時間より、電車に乗っている時間の方が長かった」と苦笑する。帰宅すると日付が変わろうかという時刻で、定期代が高いこともあって1カ月余りで家族と離れ、学校の近くで2人で暮らすようになった。

 「前は学校から帰ると疲れて寝るだけでしたが、今は家で復習できます。頑張っています」。その言葉通り、授業にも行事にも積極的に取り組み、来春には高校受験に挑むつもりだ。

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