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加古川ダム女性遺棄 殺意争点に11日判決 神戸地裁

 兵庫県加古川市の権現ダムで昨年8月、衣装ケースに押し込まれた大阪市淀川区の小西優香さん=当時(20)=の遺体が見つかった事件で、殺人と死体遺棄の罪に問われたスカウト業、森翔馬被告(21)に対する判決が11日、神戸地裁で言い渡される。森被告は公判で殺意を否認。死亡時の状況を問われると「記憶にない」と主張し、事件の詳細は不明のままだ。森被告と対峙(たいじ)した県警の取調官が産経新聞の取材に応じ、逮捕当時の状況を振り返った。

 起訴状などによると、森被告は昨年8月9日午前、2人きりになった大阪市内の自宅マンションで小西さんの首を圧迫して殺害。知人の男(43)=死体遺棄罪で1、2審とも有罪=と共謀し、遺体をケースに入れた上で権現ダムに運び遺棄したとされる。

 11月25日に始まった公判の最大の争点は殺意の有無だった。検察側は「相当な力で首を絞めており、強固な殺意に基づく極めて危険な犯行」と指摘し懲役20年を求刑。弁護側は森被告に首を絞めた際の記憶がなく、「殺意は認められない」として傷害致死罪の成立にとどまると主張した。

 昨年8月の逮捕直後から森被告を担当した取調官によると、森被告は「事件について全く知らない」と容疑を否認。しかし、その様子は明らかに落ち着きを失っていたという。

 「時間をかければ当時の状況を語るかもしれない」

 長年の取り調べの経験からそう感じたが、弁護士が森被告に接見した後は黙秘に転じた。

 この取調官が森被告と対峙した期間は、8月の死体遺棄容疑での逮捕から殺人罪で起訴されるまでの計40日間。家族のことから趣味の話題まで、雑談の中から心を開かせる糸口を探ったが、森被告はかたくなな態度を崩さなかった。

 「(小西さんを)殺すつもりはなかった」

 公判で森被告は死亡への関与は認めたが「求められて首を絞め、気づくと意識を失っていた」と殺意を否認。詳細は「記憶にない」と述べた。遺棄をめぐっては、証人出廷した知人の男が「森被告からケースの中は『グレーな物』と聞かされた」と証言。「発覚を免れるため、森被告が主導して証拠隠滅を図った」とする検察側に対し、弁護側は「(知人の男が)森被告から金銭を得ることを期待して死体遺棄を首謀した」との主張を展開し、公判は結審した。

 取調官は「最後の1分1秒まで取り調べを尽くしたが相手の心に響かず、悔いが残る」と振り返り、「被害者や遺族のためにも心から反省してほしい」と力を込めた。(林信登)

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