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【ノーベル賞’19】「つかず離れずの関係」吉野彰さん妻へ感謝の思い

ストックホルムへの出発を前に会見する吉野彰さん(左)と妻の久美子さん=5日、千葉県成田市(草下健夫撮影)
ストックホルムへの出発を前に会見する吉野彰さん(左)と妻の久美子さん=5日、千葉県成田市(草下健夫撮影)

 ノーベル化学賞を受賞する旭化成フェロー、吉野彰さん(71)を傍らで支え続けてきたのが、妻の久美子さん(71)だ。10日(日本時間11日未明)の授賞式には夫婦そろって出席するが、私生活では別々の趣味を持ち、それぞれの時間を楽しむという。そんな2人の関係を、「つかず離れず」と表現する吉野さん。2人の間には、約50年の年月をかけて築きあげてきた信頼関係がにじみ出ていた。

 「人生で最も良かった決断の一つは、妻の久美子と結婚したこと」-。8日にストックホルム大で開かれた受賞記念講演で、吉野さんはこう語った。登壇前には、久美子さんが吉野さんの髪形を整える場面も。講演後の会見で「私は普段身だしなみに気を使わないので、妻によく言われる」と明かした。

 2人の出会いは大学生のころ。吉野さんは京都大、久美子さんは近くの京都女子大で、それぞれ考古学研究会に入ったことが縁だ。京都女子大の学園祭で、考古学の展示をしていた久美子さんに吉野さんが声をかけたという。吉野さんは「私の方がのぼせあがった」と振り返る。

 研究で思うような結果を出せずに苦しんでいたときも、いつも傍らにいた久美子さん。吉野さんの枕についたたくさんの抜け毛から、研究の苦労を感じたことも。吉野さんの誠実なところにひかれたとした上で、「何事にも一生懸命で、社会の悪に立ち向かっていくと感じた」と話す。

 休日には夫婦でテニスも楽しむが、久美子さんは「山ガール」という顔も。日本百名山を巡ることを目指して、留守番の吉野さんを置いて山に登ることもあるという。吉野さんは夫婦円満の秘(ひ)訣(けつ)について、「始終べったりするのではなく、互いに趣味を持つことでつかず離れず、お互いに干渉しないようにしている」と語る。

 ただ、久美子さんは毎年ノーベル賞受賞者が発表される10月は山に登ることを我慢していたという。吉野さんは「苦しいときは迷惑をかけた。苦労を踏まえて受賞を一緒に喜んでほしい」と語った。(江森梓、ストックホルム 桑村大)

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