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【ノーベル賞’19】真摯な研究姿勢垣間見える 吉野さんの言葉

公式記者会見に臨んだ吉野彰さん=12月7日ごろ、スウェーデン・ストックホルムのスウェーデン王立科学アカデミー(桑村大撮影)
公式記者会見に臨んだ吉野彰さん=12月7日ごろ、スウェーデン・ストックホルムのスウェーデン王立科学アカデミー(桑村大撮影)

  ノーベル化学賞を受賞する旭化成フェロー、吉野彰さん(71)が、会見などで語った数々の言葉からは、実直な研究姿勢と温かな人柄が垣間見える。

 「新技術を次から次に世界に向けて発信していくことが技術立国日本の生きる道」。平成16年、著書「リチウムイオン電池物語」(シーエムシー出版)で、研究の気概をこうつづった。受賞理由となったリチウムイオン電池の開発は、そんな信念の結晶ともいえる。

 研究成功の条件として挙げるのが、「技術のシーズ(種)と世間のニーズ(需要)を結びつける」ことだ。技術に固執しても、世間の需要に合っていなければ見向きもされない。リチウムイオン電池は需要が拡大し、世界市場は2020年に5兆円を突破する見通し。今後は電気自動車への搭載で大きな伸びが見込まれ、環境問題の一つの解決策として世界中から注目されている。

 一方で、自身については「剛と柔」の性質があると分析する。「剛」は研究に対する執着心、「柔」は物事を楽観的にとらえる気持ちの余裕だ。「柔は『なんとかなるわいな』という大阪人の気質。研究では両方必要だが、バランスが難しい」

 そんな吉野さんの故郷・大阪での思い出は、高校時代に淀川沿いでマラソンをしたこと。長時間走り続けた際に気分が高揚するランナーズハイを経験した。「しんどいの連続が、突然ほわっと楽になる。今思えば、研究開発も同じですね」と振り返る。

 若い世代には、「35歳」という節目を意識するよう呼びかける。ノーベル賞受賞者の多くが、30代中盤で賞につながる研究テーマに着手したといい、「今成果がなかったとしても、数十年後に世界が認めるようなことを始めることが大事。知恵がつき、権限ももらえて挑戦できる35歳までに得意分野を準備してほしい」と語った。(江森梓)

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