PR

産経WEST 産経WEST

五輪リーチの丸山にライバルが示した意地 柔道男子代表争い、振り出しに

 一方の丸山もその前年の同選手権に天理大2年で優勝するなど早くから注目された逸材だったが、直後に左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂する重傷を負ったことで回り道を強いられた。しかし、昨年のGS大阪大会決勝からライバルとの直接対決に3連勝。今夏の世界選手権も制したことで、今回のGS大阪大会で優勝すれば全日本柔道連盟の強化委員会で3分の2以上の賛成を条件に五輪代表に決まっていたはずだった。

 だが、本番に向けて十分に練習できたのは1カ月ほどだけだったという。世界選手権準決勝で阿部一と対戦した際、右膝を負傷した影響だった。膝の回復状態は「6、7割」ながらも「欠場は一切考えなかった」という。一気に五輪代表を決めにいったが、勝利の女神は振り向いてくれなかった。決勝後、目を真っ赤にしながら「今日は僕がただ弱かっただけ」と潔く敗北を受け入れた。

3位の屈辱を胸に

 2017、18年世界選手権を制した阿部一にも意地があった。今夏の世界選手権で3位に終わり、丸山に五輪代表へリーチをかけられたのがこたえた。

 「何が何でも東京五輪に出場して、金メダルを勝ち取りたい」。だからこそ、丸山の技の生命線でもある引き手を封じるなど戦略も十分に練ってきた。日本男子の井上康生監督(41)は「久しぶりに覚悟というか、そういうものを持った試合だった」とその戦いぶりを評価。一方、代表争いについては「まだ丸山の方がリードしている。阿部に残された道は全て勝つこと」と断言した。

 代表選考は12月のマスターズ中国大会、来年2月のGSパリ、GSデュッセルドルフ両大会と続くが、両者の戦績が甲乙つけ難い場合、最終選考となる来年4月の全日本選抜体重別選手権までもつれこむ可能性がある。

 丸山は「誰にも負けないような選手になる。次は負けない」と決意を口にすれば、阿部一も「負けなしで全て勝って、まずは東京五輪(代表)を決めたい」。高め合う2人のライバル物語は、五輪開催年に入ってさらに熱を帯びていく。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ