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受精卵を無断移植も父子関係認める 大阪家裁 

 体外受精の受精卵を、別居中だった40代の妻(後に離婚)が無断で移植し出産したとして、40代の男性会社員が、生まれた長女との父子関係がないことの確認を求めた訴訟の判決が28日、大阪家裁であった。松井千鶴子裁判長は訴えを棄却し、長女が男性の嫡出子であると認めた。

 判決などによると、男性と元妻は平成25年から不妊治療を開始。その後、夫婦関係が悪化し、26年4月に男性が精子を提供したのを最後に別居した。元妻は約1年後、意向を確認しないまま男性の署名を書いて、治療先の病院に受精卵移植の同意書を提出し、28年1月に長女を出産。2人は親権者を元妻と定め、30年に協議離婚した。

 男性側は、子をもうけるという自己決定権が侵害され、移植に同意していない以上、長女と法律的な父子関係は認められないと主張。元妻側は「署名は代筆で、男性の意思に基づいたものだ」などと反論していた。

 松井裁判長は判決理由で、生殖補助医療で生まれた子の法律上の親子関係に関する立法がない現状に触れ、「(長女の出産を)自然生殖と同様に解することが相当」と指摘。婚姻中に妻が妊娠した場合、子供の父親は夫であるという民法の「嫡出推定」が及ぶとし、男性の訴えを退けた。

 また同意書面を元妻が偽造したとの主張については、男性が移植の約1年前、不妊治療の方針に同意する別の書面に署名していたと言及。その後も移植までに同意を明確に撤回したとは認められないとし、「(移植は)男性の意思に基づくものということができる」と結論づけた。

 受精卵移植に関する同意をめぐっては、過去にも最高裁まで争われた訴訟があり、生殖補助医療全般の法整備やルール作りを求める声は根強い。判決を受け男性側の代理人弁護士は「生殖補助医療の特性に基づいた父子関係の判断がなされていない。控訴を検討したい」と述べた。

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