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【ビブリオエッセー】今どきのミステリーって? 「屍人荘の殺人」今村昌弘(創元推理文庫)

 久しぶりにミステリーが読みたくなって、映画化され話題の本書を買い求めた。「2017年度鮎川哲也賞受賞」「2018年版このミス(このミステリーがすごい!)国内編1位」。どうです、読みたくなったでしょう。

 話は13人の男女大学生、OBらの合宿が、人里離れたペンションで行われ…と、よくあるパターン。主人公は探偵役の美少女と、ワトソン役の「俺」、これもありきたりのラノベ風である。

 ところがお立ち会い、途中から話は、まさかの展開となる。惨殺死体やグロい場面もあるが、妙に描写が淡泊で、状況が切迫しているときでものんびりお茶なんかしているのも、今どきのWEB小説風なのかね?

 ゾンビが…、いや、これ以上はネタバレで書けませんけど。一応、本格ミステリーの体裁をとっているが最後まで読んでみると、ええっ、そんなのあり? 反則スレスレではないのかい! と、まあ怒るほどのことではないか。

 結局、この小説を傑作とみるか本を投げつけるかは、評価が分かれそうだ。賞も取って売れてるからね。続編も出たみたいやし。それでええんちゃう。推理小説のトリックは出尽くしたといわれて久しいから、ゆくゆくはこんな風になっていくんやろね。

 そんなわけで、ミステリー好きシニアとしては、昔ながらの、横溝正史『本陣殺人事件』や高木彬光『刺青殺人事件』を懐かしく思う今日この頃なのである。

 もし鮎川哲也がこの小説を読んだら、どんな感想を?

 聞いてみたいものである。

 奈良県桜井市 ざざむし69

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