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【ビブリオエッセー】実は似ているローマ人と日本人 「教養としての『世界史』の読み方」本村凌二(PHPエディターズ・グループ)

 戦後まもないころ、選択制で「世界史」を選ばずに高校を卒業したため、世界史とは程遠い自分でした。時代とともに日本と世界との距離が縮まり、否応なく世界を知る必要が高まったことから、「高校世界史」をひもといて世界の現状と歴史を勉強しましたが、所詮は受験生用の知識に留まっていました。

 20年ほど前、人に勧められて塩野七生さんの『ローマ人の物語』シリーズの魅力にはまり、単行本の15巻全巻を読み続けました。ですが、そのローマ時代と日本との間に何の関係も思い浮かべることはできませんでした。

 ところがローマ史の専門家によるこの本は違いました。著者は、ローマ人と日本人の共通点として、創造性にやや欠けるが学ぶ能力に長(た)けていると指摘します。ただまねるのではなく、「人が発明したものを磨いて、より良いものを作り出す能力には目を見張るものがあります」と。「このソフィスティケートしていくことが得意なのが、実はローマ人と日本人」と論破しているのです。

 大いに驚き、二千年前の古代ローマと現代日本との結びつきに感動しました。確かに近年、世界における日本文化への称賛を見聞きするにつれ、著者の言葉に誇りを覚えるのです。「すべての歴史は『現代史』」なのですね。

 本書は、自慢できる文化を持つ日本の視点で世界史を学べばわかりやすいし、楽しいものだと教えてくれます。私には、日本人として自信を持って世界史を学ぶときめきを提供してくれました。

 神戸市東灘区 寺垣俊久84

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