PR

産経WEST 産経WEST

【エンタメよもやま話】人民を分類・監視し、自国の監視システムを他国に輸出する中国

 実際、国内の警察組織を統轄する公安部では、この手のひらサイズの機械と、人民の膨大な個人情報を蓄積しているデータベースを組み合わせ、仮釈放された犯罪者や違法薬物の常用者、外国人、当局にもの申す請願者、当局が問題視する宗教の信者といった人民を「key individuals」(注意すべき人々)と位置づけ、動向を逐一、追跡しているのです。

 公安部が2007年に定めたガイドラインによると、「注意すべき人々」とは「国の安全保障や公の秩序を脅かす疑いがある」と定義付けられており、対象者はかなりの広範囲にわたると考えられています。

 実際、中国の一級行政区計34のうち、26に属する約70の地方自治体が2011年から今年までの状況をまとめたところ「注意すべき人々」とカテゴライズされている人々は予想以上に多かったといいます。

 とりわけ、頻繁に指摘されるカテゴリーは、当局にもの申す請願者や、当局が禁止した宗教団体のメンバー、「安定性の維持」や「テロ活動」といった言葉をしばしば用いる権利活動家や抗議者、新疆ウイグル自治区の少数民族グループのメンバーなどでした。

 こうした監視対象の人々の増加に伴い、個人データの収集活動も活発化しています。

 公安部が扱う今日の大規模なデータベースの起源は、16歳以上の人民は常に携帯せねばならない身分証(居民身分証)をバージョンアップさせたもので、2000年代半ばに導入された機械で読み取り可能な「第二世代身分証」でした。このカードの登場で、個人情報を電子的に保存し、公安部の支部の間で簡単に共有できるようになったのです。

 そして2006年、全国規模となる「注意すべき人々」の最初のデータベースの一つ「ダイナミック・コントロール・システム」が稼働しました。約200万人の違法薬物の常用者のデータなどを蓄積していたこのシステムは、「第二世代身分証」を元に居場所を突き止めるとともに、個人の生体データを収集する初期の事例となりました。

 列車の切符の購入などには「第二世代身分証」の掲示が必要で、情報が公安部のデータベースと照らし合わされ、地元警察が個人の位置を特定。違法薬物を使用していないかどうかを尿検査で調べます。その結果とともに、指紋やDNAといった情報もデータベースに追加されます。

 実際、2017年11月には、国内最南端の海南省の警察が、データベースに登録されていた違法薬物の常用者から直接、DNAのサンプルを採取していたと報じられました。

■中国の人民監視システム、韓国など73カ国を“支配”…

 この「ダイナミック・コントロール・システム」はたちまち公安部の主要なデータ収集・蓄積システムとなり、国内の複数のハイテク企業がシステム構築への協力を申し出ました。2008年以降、使われている最新システムは中国全土をフォローする強力なシステムとなっています。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ