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ウナギの頭、大阪人が食べる理由

 和食の料理人に協力を求め、箸でほろっと崩れるほど軟らかくするまでに2年かかった。「どうせウナギ屋さんには勝てないのだから、ほかのお店がやらないような商品にしよう」と、半助のすき焼きや半助のチャーハンなど試行錯誤を重ねた結果、しょうゆをベースに砂糖などと甘辛く煮る佃煮(つくだに)にすることに決めた。

 商品名はずばり「半助煮」。味のバリエーションはみそやサンショなど3種類あり、口に入れるとサクサクとした食感が小気味よく、味も濃厚。それでいてウナギの風味も残っているので、ご飯のお供にぴったりだ。

 しかし、当初、製造を頼んでいた堺市内の工場では量産体制が困難に。作れる分だけを細々と販売しつつ、提携先を探していたが、この窮状を救ったのが、大阪市住之江区に本社を置く昆布専門店「舞昆のこうはら」だった。来年春から予定小売価格700円(税込み)で再発売されることになったという。

7月に開催された「うなぎ博覧会」
7月に開催された「うなぎ博覧会」
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■ウナギ愛フォーエバー

 教師時代には日本史を教えていた亀井さんが、ウナギの研究を始めたのは平成18年のことだった。

 大学の市民講座で「アジアを食べる」というテーマを担当し、講演するため下調べをしていた際、川をさかのぼらないで汽水で育つアオウナギを知り、興味を持った。そこからウナギの研究にのめり込み、自宅に“水族館”まで作ってしまった。これが「うなぎミュージアム雑魚寝館」だ。

 うんちくも豊富。かば焼きを作る際、大阪は商人の町で腹を割って話をするからウナギは「腹開き」、江戸は武士の社会で切腹を嫌うから「背開き」にするといわれているが、これを「おかしい」と異を唱える。

 「武士にとって背中を斬られることは敵に背を向けること。もしこの説が本当なら、これから料理されるウナギには、せめて武士の情けで切腹させてあげなあかん」

 今年7月には、街のみなとまぐろパーク(堺市北区)で「第1回うなぎ博覧会(鰻博=まんぱく)」を開催。スリランカのカレーやトルコのハンバーガーなど、世界のウナギ料理を紹介した。世界で消費されるウナギの大半を日本人が食べている以上、「ウナギの節度ある食文化を啓発していく責任がある」との持論があったからだ。

 「半助煮を通じて、もっとウナギに関心を持ってほしい」。商品化も亀井さんのウナギ愛が高じた結果といえそうだ。

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