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【井崎脩五郎のおもしろ競馬学】ワイルドアニマルが好々爺に

 えっ、この人ホントに、渡辺長武(わたなべ・おさむ)さんなの!?

 1964年の東京オリンピックを熱心に見ていたわれわれの世代は、みんなびっくりしたのではないか。野獣が好々爺になっていたのである。

 10月7日(月)に放映された『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系列)。そのなかの「今年の夏の思い出は?」というコーナー。街頭インタビューに、アロハシャツにパナマ帽という、こざっぱりとした老人が登場した。

 「オレ、こう見えて、ゴールドメダリストなんだよ」

 「えっ」

 そして、渡辺長武と名乗ったのである。なんなら、まだパワーがあるところを見せてやろうかと、ハンディーなテレビカメラで撮影していた女性スタッフを、胴抱えして持ち上げようとした。ところが、寄る年波には勝てなかったのか、少しきこしめしていらしたのか、抱えたまま転倒。ただし、自らが女性の受け身になって彼女を守ったのはさすがだった。近刊の『覚えておきたい オリンピックの顔 ~歴代メダリストのガイドブック~』(本間康司/清水書院)にこうある。《渡辺長武=1940年10月21日生まれ、北海道出身。1964年の第18回東京大会で、1ポイントも失わない圧勝で金メダルを獲得。》《1962年の全米選手権に特別参加した渡辺は、6試合すべてフォール勝ち。しかも全試合すべて10分もかからない速攻勝負だった。驚いた米国のマスコミは「あいつは人間じゃない。ワイルド・アニマル(野獣)だ」と絶賛。》

 これを受けて、競馬の世界でも“ワイルド”を冠した競走馬が続々と登場。なかでも、1966年に生まれたワイルドモアは、見事に皐月賞を勝っている。

 渡辺長武さんは、もうすぐ79歳になる。本当にお元気そうで、ストレスもなさそうで、見ていてうれしくなった。ゴールドメダリストは年のとり方という点でも達人だった。(競馬コラムニスト)

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