PR

産経WEST 産経WEST

大阪・富田林の女流歌人・石上露子の生涯絵本に 「時代の先覚者」

文章を担当した奥村和子さん(右)と絵を描いた宮本直樹住職=大阪府富田林市
文章を担当した奥村和子さん(右)と絵を描いた宮本直樹住職=大阪府富田林市

 現在の大阪府富田林市で生まれた女流歌人・石(いその)上(かみ)露(つゆ)子(こ)(1882~1959年)の生涯をテーマにした絵本が完成した。今年、没後60年を迎えたことから、市民らでつくる「石上露子を語る会」が製作、「この機会に多くの人に露子のことを知ってほしい」と呼びかけている。400部刊行し、市内や周辺の小中学校、高校などに配布。一部は来春から市内の書店などに並ぶという。(藤崎真生)

 露子は明治15年、富田林寺内町の大地主の家に生まれ、歌人・与謝野鉄幹主宰の「明星」などに寄稿。かなわぬ恋を歌った「ゆきずりのわが小(こ)板(いた)橋(ばし)」で始まる「小板橋」などが高く評価された。だが、実家に息子がおらず婿を取って家を継ぐため、明治40年の結婚後、20年以上にわたり活動を休止。2人の息子が大学や旧制高校に進学した後の昭和初期に創作活動を再開したが、昭和34年10月8日に77歳の生涯を閉じた。息子らは露子よりも先に世を去っている。

 今回刊行されたのは「絵本『石上露子物語-富田林の明星派歌人-』」(86ページ)で、地元の偉人でありながら知名度が低いため、同会が若い世代に露子の魅力を伝えようと企画。約2年前に露子の紙芝居を製作した観念寺(河南町)の宮本直樹住職(59)が絵を担当、文章は同会事務局担当の元府立高校教諭、奥村和子さん(76)が手がけた。

 中身は露子の生涯を美しい絵と作品の短歌でつづっている。「露子の結婚」と題したページでは、「黒髪の千(ち)すじのみだれ風さかひあゝ焦熱の火(ほ)中(なか)をぞゆく」という歌を紹介。「身を焼かれるような苦痛の日々」と内容を説明し、恋人との別れがあったことなどから「結婚をよろこぶどころか激しく拒否しています」と露子の心境を記している。

 奥村さんは「露子は封建的な考えや世の動きに流されず、自分の頭で考えながら自由を求めた時代の先覚者。絵本を通じ、特に若い人たちに露子の魅力を知ってほしい」と話す。定価1200円(税抜き)。

 13日午後1時半から富田林市立中央公民館(同市本町)で講演などを含む「石上露子 没後六十年記念のつどい」が開かれる。開場は午後1時で参加無料。絵本やつどいの問い合わせは同会事務局(0721・24・7127)。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ