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【虎番疾風録第3章】(63)往年の世界チャンプ・アリに奇跡は… セ界、パ猛牛には…

 「奇跡」は起こるのか-。世界中の人々がこの一戦に固唾をのんだ。

 10月2日(日本時間3日)、米ネバダ州ラスベガスで世界ボクシング評議会(WBC)の世界タイトルマッチが行われ、公認ヘビー級チャンピオン、ラリー・ホームズ(30)に38歳となった元同級チャンピオン、ムハマド・アリが挑戦したのである。

 半年前、アリのカムバックが発表されたとき、誰も本気にしなかった。記者会見に出てきたアリはブクブクと太り、往年の面影すらない。マスコミはこぞって「お金目当ての無謀な試合」と酷評した。そのアリが老体にむち打ち、15キロの減量を果たし、見違えるばかりの体となってリングに上がったのだ。

 もしかしたら、前人未到の3度目の王座返り咲きという「奇跡」が起こるかもしれない…と、床を踏み、口笛を吹いてアリをたたえたファンは一瞬、思ったかもしれない。だが、その“夢”は、両者がグローブを合わせた瞬間に消えていた。

 あまりにも力が違い過ぎた。38歳の肉体は衰えを隠せない。アリがファイティングポーズをとれたのは8回まで。9、10回は立っているだけで、ゼンマイの切れた人形のようにホームズのパンチを浴び続けた。

 チャンピオンのホームズも苦しんでいた。下積み時代には週125ドルの手当でアリのスパーリングトレーナーを務めたこともある。ホームズにとってアリは“特別な存在”だった。「オレは彼を傷つけるのが怖かった。オレがアリならこんな試合はしない」。世界中の人々がため息をついた。

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