PR

産経WEST 産経WEST

【夜間中学はいま】(14)おばあたちに料理で化学を教える理科教師  

前のニュース

出版した本を手にする盛口満さん=7月17日、那覇市の沖縄大(吉田智香撮影)
出版した本を手にする盛口満さん=7月17日、那覇市の沖縄大(吉田智香撮影)

 中学校や高校で授業を受けている10代の若者は、教師から新しい知識を教えてもらうと「へぇー」と声をあげることがある。ところが、人生経験豊富な「おばあ」たちは、知識を教えてもらっただけでは、簡単に納得してくれない。知識が自らの実体験と符合して初めて「ああ」と感嘆の声をあげるのだ。那覇市のNPO法人「珊瑚舎スコーレ」が運営する自主夜間中学で理科を教えてきた盛口満・沖縄大学長(57)は「おばあちゃんたちに『ああ』といってもらえる授業」を心がけてきた。

 珊瑚舎スコーレは平成13年に発足したフリースクールだ。子供が対象の初等部や中等部、高等部に加え、公立の夜間中学と同じように週に5日、9教科の授業を行う自主夜間中学も併設されている。

 第二次大戦で激戦地となった沖縄。自主夜間中の生徒のほとんどは戦後の混乱期に家庭の事情などで義務教育を受けられなかった高齢者だった。「いつか学校に行きたい」と願い続け、勉強する機会を待ちかねていたおばあたちが目立つ。

 NPO法人の代表、星野人史さん(71)と盛口さんは、埼玉県の私立自由の森学園中学校・高校の同僚として知り合った。星野さんは校長を最後に退職した後、顔の見える“小さな学校”を作ろうと沖縄に移住。共感した盛口さんも退職して拠点を沖縄に移し、設立の準備に携わった。

 星野さんは、盛口さんの授業を「目に見えることや肌で感じることを、理科的な切り口で、さらによく見えるようにしていた。それが生徒たちにとっては喜びになっていたようで、どんどんいい笑顔になっていった」と振り返る。

続きを読む

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ