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「最期は日本人として」 歴史に翻弄された97歳元日本軍属

 終戦後、台湾へ復員し、農林関係の仕事を再開した。しかし、中国大陸から台湾へ移った蒋介石・国民党政権の異端分子との嫌疑をかけられ、1950年8月に投獄された。獄中生活は7年に及び、激しい拷問で奥歯が2本欠けた。「私は罪を認めず耐え続けたが、多くの同胞がいわれなき罪で虐殺された。貴重な青春時代を奪われ、灰色の7年だった」

 日本政府は昭和27年、国民政府との間で日華平和条約を締結。日本の最高裁判決によると、同条約の発効(同年8月)をもち、台湾出身者は日本国籍を失ったとされる。祖国に見放されてしまったとの喪失感と「母国を持ちたい」との思いが募る。

 先の大戦で日本統治下の台湾から戦地へ赴いた日本軍人・軍属は20万人以上。うち約3万人が命を落としたとされる。日本統治は功罪両面だが、独裁政権による戦後の戒厳下とは「比べるまでもない」とこぼす。

 歴史の波に翻弄された97年の人生。それでも、日本人としてのアイデンティティーは忘れたことがない。「過去は取り戻せない。ただせめて、最期を日本人として迎えることができれば」と願っている。

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