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【夜間中学はいま】(13)漢字知らず履歴書も書けなかった 48歳、今が本当の自分

 伊藤さんの変化に家族は驚くが、級友からはこう言われた。「今が本当の伊藤さん。本物の自分になっただけや」。心が震えた。「夜間中学はただ勉強するところではなく、自分を見つめ直し、成長させてくれる場。学ぶ喜びや人を信じることの大切さの感動を味わった。入学して本当によかった。もしここに来ていなかったら、何もわからないまま働いて死ぬだけの人生やった」

独自の空間

 近畿には大阪、兵庫、京都、奈良に18校の公立夜間中学があり、そのうち15校に生徒会がある。束ねるのが近畿夜間中学校生徒会連合会で、伊藤さんは今春、形式卒業者で初の会長に就任した。

 岐路に立つ夜間中学の重要なポジションを悩んだ末に引き受けたのは、誰もが苦労を重ねてたどり着いた学校の「独自の空間」を大切に思うからだ。「差別がない。受け止めてくれる。自分らしくいられる。安心して学べる。この空間を守りたい」と語る。

 毎日午前5時に起き、7時から午後1時までマンションの清掃の仕事をする。「授業に間に合うように登校したいので、早い時間帯の仕事を選んだ」という。

 夜間中学を卒業後は高校へ。できれば大学にも進学したい。「夜間中学に貢献できる仕事をしたい。もし教員免許が取れたら、自分のような境遇の人たちの役に立ちたい。夜間中学の先生にないたいんです」

 「夜間中学」に関する体験談やご意見、ご感想を募集します。

 住所、氏名、年齢、電話番号を明記していただき、郵送の場合は〒556-8661(住所不要)産経新聞大阪社会部「夜間中学取材班」、FAXは06・6633・9740、メールはyachu@sankei.co.jpまでお送り下さい。

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