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【ビブリオエッセー】考え方ひとつで人は変われる 「嫌われる勇気-自己啓発の源流『アドラー』の教え」岸見一郎 古賀史健(ダイヤモンド社)

 人生を蝕(むしば)む全ての悩みに向き合いすぎていた。分別する方法を知らなかったからだ。

 『嫌われる勇気』は、心理学者、アドラーの教えを、対話形式でわかりやすく紐(ひも)解(と)いていく。哲人は言う。「人は誰でも幸福になることができる」と。

 それに対して、読者は「青年」とともに立ち向かうが、次々と論破されてしまう。けれども読後は、とてもすっきりとした気持ちになる。

 私は人に嫌われることを恐れていた。他人の顔色をうかがうこと、それが全ての人に好かれる方法だと思っていた。しかし実際はどうだ。狭い廊下で横一列に並んでゆっくり歩いているような、他人の目を気にしない人たちがクラスのカースト上位を占めている。自分の方が何倍も気を遣い、それでも苦しんでいるのにと、そういった人たちがとても羨(うらや)ましかった。

 そんな折にこの本に出会い、自分の中で革命が起こった。こんな一節がある。「あなたの期待や信頼に対して相手がどう動くかは、他者の課題なのです」。

 大切なのは自分がどうありたいかであって、それを相手がどう受け止めるかまでは考えなくてよい、というのだ。私の生き方を真っ向から否定され、しかし、とても楽になれた。

 この本を読んでわかった。過去や周囲に囚(とら)われる必要などない。考えるべきは、自分が何を選択し、どう生きていくかであると。幸せになるために、まずは自分という人間を認めることから始めようと思った。

 奈良県大淀町 笠松綾菜20

     ◇

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