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【ビブリオエッセー】本当にほしいものは… 「おくりものはナンニモナイ」パトリック・マクドネル作 谷川俊太郎訳(あすなろ書房)

 「おくりものはナンニモナイ」ってどういうこと?タイトルを見た私は意味がわからなかった。でも、なぜか、このシンプルな絵本に惹かれて、手にとった。

 この絵本はムーチというネコのお話。ムーチは大好きな友達であるイヌのアールに何か贈り物をしようと考えた。ところがアールはなんでも持っている。さて何をあげれば喜んでもらえるだろう。思案の末にムーチは、そうだ、「ナンニモナイ」をあげようと思いつく。

 最後にムーチは、その「ナンニモナイ」をプレゼントし、二人は「ナンニモナイ」を楽しんだ…。

 読めば読むほど何を言っているのかわからなくなる。でもナンニモナイ、ナンニモナイと繰り返しているうちに、ムーチの思いつきを私なりに、実は何もないって幸せなことなんだとようやく理解できるようになった。

 最近はいろんなものが当たり前のようにありすぎるのに、もっと、もっと、と欲張ってしまっていた。何もあげなくても、友だちはただ隣にいるだけで幸せなんだ。

 この絵本を読んだとき、なにかうまくいかなくて自分が嫌いだった。でも読んだ後、今のままの自分で幸せなんだと知ることができた。

 それからは今までよりプラスにものを考えられるようになり、少し自分が好きになった。とても短い物語ではあるが、自分の考え方を改めることができた。

 ムーチ、ありがとう。

大阪府東大阪市 岩永麻衣20

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