PR

産経WEST 産経WEST

【関西の坂】(3)ケーブルカーの廃線跡は「心臓破り」の通学路

信貴山に向かって延びる一直線の坂。かつて運行していたケーブルカーの廃線跡だ=奈良県三郷町
信貴山に向かって延びる一直線の坂。かつて運行していたケーブルカーの廃線跡だ=奈良県三郷町
その他の写真を見る(1/6枚)

 大阪との府県境にほど近い近鉄信貴山下駅(しぎさんしたえき、奈良県三郷町=さんごうちょう)。改札口を出るとすぐ、驚くほど長い急坂が目に飛び込んでくる。信貴山に向かって一直線に延びる坂は、かつて山の斜面を走っていたケーブルカーの名残らしい。実際に歩いてその歴史をたどってみた。(前原彩希)

最大12%の急勾配

 車がうなり声のようなエンジン音を上げ、苦しそうに上っていく。平均10・8%、最大12%の急勾配を誇る約870メートル(高低差約94メートル)の坂は、町道「勢野中(せやなか)環状線」の一部だ。いざ歩こうと決意したものの、そびえ立つような上り坂を見るとおじけづきそうになった。

 テンポ良く歩くことができたのはものの数分だけ。徐々に息が切れ、足取りが重くなってくる。真夏の日差しが容赦なく照りつける日中。他に歩いている人はほとんど見当たらない。坂の中腹辺りでおもむろに後ろを振り返ると、眼下に広がったのは奈良盆地と、そこを蛇行しながら流れる大和川。駅からの高低差を実感した瞬間だった。

 坂の頂上付近には奈良県立西和清陵高校がある。生徒らが信貴山下駅から列をなし、坂を上ってくるのが毎朝の光景だ。昇降口には大型扇風機が設置され、しばらく涼んでから教室に向かうのが定番とか。

 坂で心身を鍛えているのが野球部だ。冬場の走り込みでは、最後に“心臓破りの坂”が待ち構えているのだからたまらない。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ