PR

産経WEST 産経WEST

【夜間中学はいま】(11)伝説の教師が教えた「生きる力を支える言葉」

 生徒に問いを重ねながら、少しずつ長く書かせるようにした。その特徴は、画家がデッサンをするように、見たこと聞いたこと思ったことをそのまま書くシンプルな文章。見城さんは「素過程作文(そかていさくぶん)」と造語で呼ぶ。

 次第に生徒のノートは埋まっていった。町工場で働く生徒は、こんなふうに書いたという。

 ゴローン ゴローン ガチャンと、大きな音を立てる機械にむかって毎日仕事をしている。

 機械の音は僕にガンバレ ガンバレと言っている。僕は何も考えず、この一言を聞いて仕事をしている。

 親戚の家に住み込み、働く17歳の男子生徒は、猫の親子の様子を描写しながら、何年も会わず、便りもない母親のことを「母さんのばかばかばか」と書いた。ふだんは快活な男子生徒の心の内を垣間見た。

 ■生活に根差した漢字

 時代の移り変わりを映し出し「社会の鏡」ともいわれる夜間中学には、やがて戦争で学ぶ機会を奪われた中高年や在日韓国・朝鮮人、中国からの引き揚げ帰国者らが増えていく。

続きを読む

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ