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【ビブリオエッセー】違っているから面白い 「中国嫁日記」井上純一(KADOKAWA)

 作者である40代の中年オタク男性とお見合い結婚した20代中国人女性、月(ゆえ)さんの日常を描いた漫画だ。

 月さんは自分が怒っているときスムーズに日本語が出てこないことを、国際結婚の思わぬ利点だと言う。朝食にトーストと目玉焼きとお汁粉を出し、お汁粉はスープの区分よ、とは驚きの解釈。

 私がこの本を見つけたのは、就職氷河期に大学を卒業し、2、3年のフリーター生活の後、突然、中国に行った息子が、中国人女性(おまけに少数民族の出身だという)と結婚し、お盆に里帰りしてくることになったときだ。

 はて、どう迎えればいいものか。まずは簡単な中国語会話の本を買い、その次に手に取ったのがこの本だった。

 結局、お嫁さんは日本語学校にも通ったということで、私には日本語で接してくれる明るい女の子だったが、それでも一緒に買い物に行けば1時間くらいは値段交渉をしたり、実家で大切に育てていたというかわいい豚をふるまってくれ、「おいしかったよ」とにっこりしている。

 いろいろ驚くこともある中で、この本を読むと納得できることも多く、なによりこの本の根底には、「違っているから面白い」との視点があることに癒やされる。相手の背景が見えてくるにしたがってその真意が理解でき、信頼につながってくる。自分が誰かと接するとき、この視点さえ持っていれば、きっと相手も自分を理解しようとしてくれるだろう。

 ただただ面白く、第8巻の出版を心待ちにしている。

 堺市南区 堀江美和子63

 【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

 投稿はペンネーム可。600字程度で住所、氏名、年齢と電話番号を明記し、〒556-8661産経新聞「ビブリオエッセー」事務局まで。メールはbiblio@sankei.co.jp。題材となる本は流通している書籍に限り、絵本、漫画も含みます。採用の方のみ連絡、原稿は返却しません。二重投稿はお断りします。

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