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JR西が慰霊施設を報道公開 課題は事故車両の活用法

JR福知山線脱線事故の現場マンション。一帯は慰霊施設「祈りの杜」として整備されている=11日午後、兵庫県尼崎市(前川純一郎撮影)
JR福知山線脱線事故の現場マンション。一帯は慰霊施設「祈りの杜」として整備されている=11日午後、兵庫県尼崎市(前川純一郎撮影)

 JR福知山線脱線事故の慰霊施設「祈りの杜(もり)」が兵庫県尼崎市の事故現場に整備されて1年となるのに合わせ、JR西日本は11日、施設内部を報道陣に公開し、事故の風化防止に向けた取り組みを紹介した。

 祈りの杜は、JR西が平成28年から整備を始め、昨年9月に完成。慰霊碑や事故の概要を伝える展示が設置されているほか、列車が衝突したマンションが保存されている。施設内部は一般公開されているが、普段は取材は制限されている。

 JR西は、これまでグループ会社を含め約7千人の社員に対して祈りの杜で研修を実施。慰霊碑前で再発防止を誓った上で、安全対策について議論している。

 事故は17年4月25日に発生し、乗客106人が死亡し、562人が重軽傷を負った。事故後にJR西に入社した社員は今年4月で全体の半数近くを占めた。

 一方、事故をめぐり、今後課題となるのは事故車両の活用方法だ。JR西は社員の安全教育のために保存施設を整備したい考えで、遺族や負傷者らの意向を聞きながら慎重に検討を進めている。

 事故車両は、事故後に兵庫県警が証拠品として押収していたが、平成23年に神戸地検からJR西に返還。このうち、事故の衝撃や乗客の救出作業に伴って裁断したことで損傷の激しかった1~4両目については、兵庫県高砂市内の倉庫で部品の分類や劣化を防ぐ作業が行われた。5~7両目は大阪市内のJR西の敷地で保管している。

 JR西は作業が一段落したことから、今年7月下旬から遺族や負傷者を訪問し、事故車両を社員の安全教育に活用したい意向を説明。だが、遺族や負傷者の間ではさまざまな意見があり、事故車両の話題に触れられないこともあるという。

 事故現場に慰霊施設「祈りの杜」を整備する際も、遺族や負傷者からは「通りかかった人に気づいてもらい、風化防止になる」「見せもののように感じる」と賛否があり、JR西は説明を重ねてきた経緯がある。

 事故車両の活用について、JR西の担当者は「ご遺族や負傷された方々にはさまざまな立場の方がいる。慎重に検討したい」と説明している。

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