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南海トラフ津波に備えよ 東北防災ツアー(上)

 取材を通じて親しくなった大阪府泉大津市の僧侶、石原成昭さん(52)から「一緒に東北へ行きませんか」と誘われた。東日本大震災の復興支援を続けてきた岩手県大船渡市の夏祭りに招待されたので、合わせて防災について学ぶツアーを企画したという。8月2~4日の2泊3日。断る理由はない。休暇を取って自腹で参加してきた。(小野木康雄)

届かぬ情報

 1日目(8月2日)。最初の目的地は岩手県釜石市の「いのちをつなぐ未来館」だ。震災の伝承と防災学習を目的として3月にオープンした。館内ガイドの佐々木雄治さん(63)に案内してもらう。

 佐々木さんは平成23年3月11日の震災当日、出張のため盛岡市内へ車を走らせていた。津波が襲い来るニュース映像をカーナビで目の当たりにし、釜石市の自宅に何度も電話した。「どうか助かっていてくれ」。だが妻と父、義母、そして家を空ける自分の代わりに父の介護を手伝いに来ていた姉が、犠牲になった。

 気象庁は地震発生の3分後に大津波警報を発令。当初は岩手県沿岸に高さ3メートルの津波が到達すると予想し、その後6メートル、10メートル以上と段階的に修正した。

 ところが修正された時点で釜石市内は停電しており、防災関係者や住民に情報が届かなかった。最初の3メートルという数字を信じ「防潮堤(高さ6・4メートル)があるから大丈夫」と考えた人もいたという。

記者を含む5人が参加した東北防災ツアーの主な日程
記者を含む5人が参加した東北防災ツアーの主な日程
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 結果は津波が防潮堤を乗り越え、広い範囲が浸水。市内の死者・行方不明者は927人にのぼり、家屋4282棟が被害を受けた。

津波に「想定内」はない

 「自分が痛い目に遭わないと、津波が来るという実感がなかなか持てない」。佐々木さんの言葉に、ツアー参加者の田中昭男さん(80)がうなずいた。

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