夏休み明け前後の子供の自殺、どうすれば防げる?
夏休み明け前後に子供の自殺が増えることを受け、学校と家庭以外の居場所としてフリースクールを開放したり、電話相談の時間を延長したりする動きが相次いでいる。関係者らは「子供のことを真剣に考える大人はいる。だから相談してほしい」と訴えている。
誰でも来て
大阪市中央区でNPO法人が運営するフリースクール「フォロ」は22日から9月2日までを、無料で参加できる「オープンデー」とした。スタッフの山口はるかさんは「学校に通わなくても、受け入れてもらえる場所がある。死なないでほしい」と呼びかける。
山口さん自身、小学6年生のとき、転校をきっかけにいじめを受け、不登校になった。「そのときの感情は、覚えていない。しばらくは、家事をしたりして過ごしていた」
大阪府内のフリースクールに4年ほど通い、通信制高校を卒業。会社員などとして働いた後、フォロのスタッフになった。
オープンデー2日目、楽しそうにゲームをする会員の子供たちと一緒に、普段は来ていない女児の姿も。山口さんは「死ぬくらいなら学校にいかなくていい、とよく言われるけれど、死にそうになるまで頑張らなくていい。親も子供が不登校になっても自分を責めず、相談して」という。
「勇気出して」
子供専用の相談電話「チャイルドライン」は22日から9月4日まで、受付時間を前後2時間ずつ延長している。全国のこども食堂74カ所と連携し、電話番号を書いたカードを配布している。
大阪市西成区の一般社団法人「子どもの居場所まーる」では市立小中学校で新学期が始まった26日、朝食を提供した。一人一人にこのカードを手渡し、「親や先生に言えない悩みがあったら、こういうところもあるよ」と声をかけると、真剣にカードを見つめる小学生もいた。