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ヒョウ柄、スイーツ 個性派バスで需要喚起へ 大阪メトロ延伸区間で社会実験

ヒョウ柄の座席がインパクを与える「アフリカン」。サバンナをイメージした(大阪メトロ提供)
ヒョウ柄の座席がインパクを与える「アフリカン」。サバンナをイメージした(大阪メトロ提供)
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 採算性が厳しいとして計画が凍結されている大阪メトロ今里筋線の延伸区間で4月からバス高速輸送システム(BRT)による社会実験が始まり、趣向を凝らした内装のバスが街を走っている。愛称は「いまざとライナー」。14台のバスすべてが異なるデザインの内装だ。実験は約5年間かけ需要を調査し、延伸の是非を判断するのが目的だが、実施主体の大阪市と大阪メトロは利用者の掘り起こしにもつなげたい考え。ヒョウ柄、スイーツ、海辺…。遊び心を加えたバスは呼び水となるか。

 「この柄すごいな」「田んぼの稲みたい」

 8月中旬、平日の夕方。御堂筋線長居駅(大阪市住吉区)近くの停留所から出発した「いまざとライナー」に乗車した女性らが声を上げた。バスの内装は緑あふれる公園をイメージした「ナチュラル」。車内には鮮やかな緑の木や青空が描かれ、通常のバスとは異なる雰囲気が広がっている。

 社会実験が行われているのは、延伸計画のある今里筋線の今里駅(東成区)から湯里六丁目(東住吉区)の間(6・7キロ)を中心としたエリア。「今里-杭全(くまた)-湯里六丁目-長居」と「今里-杭全-あべの橋」の2ルートで、運行頻度は1時間に大体2~6本だ。

 停留所の間隔は通常の路線バスよりも長く、スピードを重視。話題性を呼ぼうとバスの内装も工夫を凝らし、座席の布地も1台ずつ変えた。

 夕日が沈むサバンナにいるような「アフリカン」では、ヒョウ柄やシマウマ柄の座席が目を引く。他にも南国のリゾートをイメージした「マリン」、スイーツの柄をちりばめた「ポップ」など、14台のバスはいずれも個性的だ。「乗客にわくわくしてほしい。どのバスが来るかはそのとき次第なので、何回も乗車して楽しんでほしい」と大阪メトロの担当者は話す。

 ただ、今後どこまで需要が喚起されるかは未知数だ。大阪市内東部を縦断する今里筋線は、平成29年度には大阪メトロ9路線中で最も多い赤字額を抱え、沿線地域の高齢化も進む。

 市によると実験を始めて3カ月目の6月のバスの1日平均利用者数は、2ルート合わせて約1940人。4月の約1550人から徐々に増えてはいるが、当初予想の4千人を下回った。PR強化のため同社は8月、同線沿線の8万世帯にチラシを配布。今年度中にはテレビCMも検討している。

 今里筋線の延伸をめぐっては26年に市の審議会が沿線人口の減少などを見込み、「事業化は厳しい」と答申。延伸地域全体の活性化策の必要性にも触れた。松井一郎・大阪市長は「ピンポイントでの活性化策は非常に厳しい」としつつ、「大阪市内では現役世代の人口が増えている。中心部以外の周辺エリアにも波及していくだろう」と指摘。いまざとライナーについては「まだまだ知らない人がたくさんいる。認知度が上がっていけば利用者も増えるだろう」と話している。(有川真理)

 ■BRT

 「バス高速輸送システム」(Bus Rapid Transit)の略称で、既存道路や線路跡地にバス専用レーンを設けるなどし、列車の代わりにバスを運行させる交通システム。渋滞の影響を受けにくく、停留所の間隔も長いため、鉄道と同様に定刻通りの運転ができる。鉄道建設と比べて整備費用を抑えられるメリットがある。

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