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研究断念、ベンチャーに継承 製薬大手に広まる「カーブアウト」

 小児四肢疼痛発作症は、寒いときなどに手足が痛む疾患。赤ちゃんが発症すると、言葉で説明できずよく泣くため“疳(かん)の虫”の原因の一つとも指摘される。

 アルファナビファーマ技術顧問の小泉昭夫・京大名誉教授は、開発中の新薬について「副作用が少ないため、遺伝子変異に効くことが証明されれば、小児四肢疼痛発作症だけでなく、糖尿病や炎症などのあらゆる痛みに適応が拡大される可能性もある」と話す。

■独特の産業構造

 重点領域ではない事業を切り離してベンチャーに移管する経営手法は「カーブアウト」と呼ばれ、国内の製薬企業で広まっている。

 今年、アイルランドの製薬大手シャイアーを6兆円超で買収して世界のメガファーマ(巨大製薬企業)に名を連ねた武田薬品工業は、事業の選択と集中を進める一環としてカーブアウトを積極活用している。

 糖尿病や高血圧症などの新薬候補の研究開発を切り出した「スコヒアファーマ」をはじめ、がん創薬ベンチャー、薬効薬理や安全性評価を行う部門を切り離した企業などを次々と生み出してきた。

 製薬業界でカーブアウトが広まる背景には、独特の産業構造がある。一般的に新薬の研究開発から発売までには10年から15年、費用は1000億円近くかかるとされ、同時に進められる計画には限りがあるからだ。

■「チャンスに懸けた」

 大日本住友で初のカーブアウトとして技術を移転されたアルファナビファーマの小山田氏は、「製薬企業に勤めていても、自分がメインで携わった薬が実用化される研究者は1000人に1人ぐらいの割合ではないか。だからこそ、独立して薬を世に出すチャンスに懸けた」と話す。

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