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こだわりの京アニ作品、マイノリティーにも光

 実は、京アニは同作品を制作する際、ヤマハの子会社「ヤマハミュージックジャパン」に楽器の貸し出しを依頼したが、主人公が演奏するユーフォニアムだけはこだわりがあったため購入していた。

 原田さんは作品を見て、あまりに楽器が忠実に再現されていたことに驚くとともに、設計に打ち込んだ自身の青春時代を思い出した。「彼らも同じように夢や情熱を持っていたと思うと、やりきれない」。事件で大勢の若い社員らが犠牲になったことを憤り、「京アニには亡くなった方々の遺志を継いでこれからもすばらしい作品を作り続けてほしい」と願った。

■「聲の形」

 平成28年に映画化された「聲(こえ)の形」は、聴覚障害を理由にいじめを受けるヒロインと、いじめる側の少年を中心にコミュニケーションの難しさや大切さを伝える内容で、聴覚障害のある学生にもファンが多い。

 いじめや自殺の防止、障害者への理解を呼びかけるため、文部科学省とタイアップした同作品のポスターが全国の学校で掲示されたことも話題になった。大阪府内のある聴覚支援学校の校長は「校内でポスターを目にして、とても気になっていた作品。子供たちも同じだったと思う」と振り返る。

 兵庫県のある聴覚支援学校では、授業で同作品の上映会を複数回実施した。女性教諭(55)は「聴覚障害者というマイノリティーの存在を取り上げてくれた。子供たちにも人気です」と話す。

 作品では、少年がヒロインの補聴器を無理やり奪い取るなどのいじめを続けるが、その後いじめられる側に立たされたことで、自らの過ちに気づくまでの心理描写が繊細に描かれる。別の女性教諭(57)も「ヒロイン同様に、障害を理由にいじめを受けた児童もいる。障害を受け入れて歩み寄る2人の姿に共感し、勇気をもらったようだ」と語る。

 授業での同作品の活用は児童生徒からの要望が多いといい、女性教諭らは「聴覚障害を題材に映画化してくれた京アニには、感謝の気持ちしかない。また温かい作品を作ってほしい」と期待を込めた。

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