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特攻隊員の思い伝える 知覧特攻平和会館、証言映像公開へ

 普段は同館を訪れる修学旅行生らに特攻隊員の歴史を説明しているが、証言映像の記録のため関係者への聞き取りに同行したことがある。

 隊員の恋人だった女性の話は忘れられない。隊員が出撃前に女性に託した手紙には、こう記されていた。

 《自分の人生を真剣に考えて一日一日大事にしてほしい》

 戦後、女性は別の男性と結婚したが、夫の死後、かつての恋人の命日になると知覧を訪れた。女性は「国民はみなもみくちゃになった時代だった」と振り返り、「その上に平和な世の中があることを忘れないでほしい」と願っていた。

 川床さん自身も戦時中、技術将校だった父を亡くしている。レーダー開発などに精魂を注いだ父は、過労で倒れ命を落とした。「戦争はあってはならない」。陸上自衛隊を定年退官後に地元企業を経て語り部活動を始めたのは、そんな父の思いを伝えたいという気持ちがあったからだ。

 活動では、特攻隊員らが残した遺書などを紹介しながら、家族の絆や命の大切さを伝える。遺書には、親への感謝だったり子供への激励だったりと、それぞれの最期の思いがつづられているが、共通するのは国や家族を愛する気持ちだ。

 一方で、当時を知る人は歳月を重ねるごとに減っていく。現在同館にいる5人の語り部は、川床さん以外はみな戦後生まれ。川床さんは「日本や家族を守るため命をかけて戦ってくれたご先祖さまがいたことを忘れないでほしい。その生き方は戦後にも通じる部分があり、学ぶことがあるはずだ」と話している。

(江森梓)

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