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不登校の子供たちに居場所を 大阪八尾に学び場 9月開校

不登校生徒児童向けの学習施設「輝」の開設準備に追われる浦上弘明さん。商業施設の旧社員食堂だった場所を活用する=大阪府八尾市
不登校生徒児童向けの学習施設「輝」の開設準備に追われる浦上弘明さん。商業施設の旧社員食堂だった場所を活用する=大阪府八尾市

 友人関係や学校でのトラブルなどさまざまな要因で学校に行けなくなる不登校。多くの学校は夏休み期間中だが、新学期の登校に不安を抱く子供たちも少なくない。家へ引きこもってしまうことなく、学校以外の場へ目を向けてもらおうと、大阪府八尾市に9月、小中学生向けの新たな通所施設が開設する。施設での活動内容は在籍校の成績に反映するよう計らう。入会希望者からは「やっと居場所ができる」と期待の声が高まる。

八尾で開所準備

 八尾市の近鉄八尾駅前にある商業施設「リノアス」の一角にオープンする不登校の児童生徒を受け入れる学習施設「輝(かがやき)」。淡い緑色が基調の内装で学習用のパソコンや個別学習に適したブース、仲間と交流できる大きなテーブルを配置する予定。「居心地のいい空間にしたい」と運営するNPO法人「輝」の理事長で元八尾市教育長の浦上弘明さん(65)が開所準備に追われる。

 小学校校長経験もあるベテランの元教員や、引きこもり当事者で社会復帰を果たした若者らが常駐し、学習相談だけでなく悩みを打ち明けやすい雰囲気作りを目指す。子供が家に引きこもり外出できない家庭へ、相談員を派遣して当事者や家族へのサポートも行う。まずは施設へ来てもらうように呼びかけるところから始めていく。

自宅受講も可能

 教科指導は、在籍校の問題集など好きな教材を持ち込んでの自習をサポートするほか、インターネットでの学習を支援する「クラスジャパン教育機構」(東京)と協定を締結。希望者は自宅や施設のパソコンを使い、学習指導要領に沿った科目映像学習も受講できる。各自の時間割は子供自身が無理のない範囲で設定できる。1週間かけて興味のある分野を学び、参加者の前で発表する調べ学習やプログラミング講座、土曜日の体験学習など人とのつながりを再構築できるような取り組みも計画する。

 近隣自治体の教育委員会と連携し、定期考査をこの施設で受験できたり、施設でのさまざまな活動を学校評価につなげられるよう目指していく。「輝での頑張りを出席日数や内申点、成績に反映できるようにすることで、子供の学校外での活動成果を認めるように求めていく」(浦上さん)

再挑戦を支える

 すでに問い合わせが多数あり、「息子が『やっと居場所ができる』と楽しみにしている。たくさんの子供たちの未来を照らして」と保護者の期待の声も寄せられる。12日に施設で入会説明会を行うほか、体験入会も受け付けており、詳細を「輝」のホームページに掲載している。浦上さんは「子供に居場所を与えるとともに再チャレンジしたいという意欲を大事にできる仕組みが必要」と話した。

     ◇

 平成28年に成立した「教育機会確保法」では、不登校の児童生徒を国や自治体が支援することを初めて明記し、対策に取り組む。だが、29年度の文部科学省の調査では小中学校の不登校児童生徒数が約14万4千人(前年度比約1万人増)と過去最多を更新。中学校では教室に1人は不登校の生徒がいる計算で、深刻な状況が続いている。

 しかも、国が定義する不登校は30日以上登校できていない状態を指し、保健室登校や、不定期でも通学できていれば不登校とみなさないため、調査結果は氷山の一角ともいわれている。

 不登校になった子供の学校以外の選択肢には、自治体の教育委員会などが設置する「適応指導教室」(教育支援センター)や、民間団体などが運営するフリースクールなどの通所施設がある。

 ただ、在籍校が通所施設での取り組みを学習とは見なさず、児童生徒の成績に反映しないことも。内申点が得られず希望校への進学が困難になるケースが多いという。

 こうした状況を受け、不登校に悩む子供や保護者が次の選択肢を見つける手助けになればと兵庫県尼崎市では、今年度から通えば在籍校の出席扱いとなる通所施設の認定制度を始めている。

 これまでは同じ通所施設でも学校長の判断で出席と見なすか意見が分かれるケースがあり、市教委が基準に沿って施設の認定を行うことで「不登校の子供たちがどこの施設に通えば出席と見なされるか迷わずに済む」(市教委)。担当者は「学校外での頑張りを認め、子供たちの居場所を作ることが重要だ」としている。

(木ノ下めぐみ)

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