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【一聞百見】一主婦の華麗な転身 日本の伝統芸能を世界へ 芸術文化プロデューサー・西尾智子さん(68)

「自分がハッピーでないと、人に喜んでいただくプロデュース業はできないですね」という西尾智子さん=大阪市北区(南雲都撮影)
「自分がハッピーでないと、人に喜んでいただくプロデュース業はできないですね」という西尾智子さん=大阪市北区(南雲都撮影)
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■「そんなん無理」でも動かなきゃ

 西尾さんが手がけてきたアーティストは、まさに「天才の方ばかり」。世界的なバレエダンサー、熊川哲也さん、梅若実玄祥さん、バイオリニストの葉加瀬(はかせ)太郎さん…。華麗なる人脈で、いままで誰も見たことのない舞台芸術を生み出していく。

 平成20年3月、雨中の世界遺産、京都・上賀茂神社。実玄祥さんと20世紀最高のプリマバレリーナといわれるマイヤ・プリセツカヤさんがともに舞った舞台は神秘的な美しさに満ちていた。「天才同士のコラボレーションで何が生まれるか興味があったのです。それに、きっとお互いに刺激になると思いました」。西尾さんは力強く語る。「でもね、最初思いついたときは周りの人からいつも、『そんなん無理、無理』って言われるんです。でも動き出さないことには実現するかどうかわからないじゃない?」

 現在のプロデューサー業につながる第一歩は昭和57年、自宅を開放してスタートしたカルチャーサロン「アプレ・ミディ(昼下がり)」。近所の主婦を対象に著名人を講師に迎えてのトークショー。「一流のゲストを招いてほしいというリクエストが相次ぎ、その第1弾としてお迎えしたのが作家の野坂昭如(あきゆき)さん。私が野坂先生原作の映画『火垂(ほた)るの墓』を見て感動したからなんです。ところが、どんなふうにお願いしていいかわからない。所属事務所を通すということも知らなかったんです」

 そこで西尾さんが行った方法は、マスコミ年鑑で野坂さんの電話番号を調べ、直接電話すること。かけてみると、なんと本人が出た。「一瞬、驚きましたが、会の趣旨を説明して出演をお願いすると、私の勢いに圧倒されたのか、承諾してくださったのです」。以降、作家の村松友視さん、伊集院静さんらが続々と出演してくれた。「大切なのは行動力と瞬発力ね」

 西尾さんが次に組んだ相手は世界的バレエダンサー、熊川さんだった。西尾さんは当時、42歳。抜群の跳躍力に魅せられた。「なんとしても彼のステージを作りたい」。だが「最初は相手にされませんでした」。西尾さんはあきらめなかった。ことあるごとに「哲也くん、ステージやらない?」とアタックし続け、ついに「いいよ」と承諾を勝ち取った。多忙を極めていく西尾さん。夫は「家事は手伝ってもらってもいい。でも食事だけは自分で作りなさい」とだけ言った。「私は本当に周りに恵まれている。これだけはいつもありがたく思っています」

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