【軍事ワールド】イランの軍事機密が丸裸に 上空を突っ切ったのは米軍ではなく…
核開発をめぐり米国との軋轢がエスカレートしているイランで、主要都市を守る空軍などの防空体制が“敵”の手によって丸裸にされ、空軍幹部が秘密裏に処分されていたことが7月末に明らかになった。イラン領空に侵入したのは米国製の最新鋭ステルス戦闘機F-35Aライトニング2。だが、その所属は米軍ではなかったのだ。(岡田敏彦)
ステルスの脅威
イラン空軍の失態を報じたのは、米外交専門誌「ナショナル・インタレスト」(電子版)。同誌などによると、イランに対する領空侵犯は2018年2月に起こった。侵入したのは米国ではなく、イスラエル空軍の2機のF-35だった。
F-35は敵のレーダーに探知されない特殊な構造で設計された機体で、イスラエルでは「アディール(強者)」のニックネームを付けて16年12月から運用しており、最終的には50~75機を導入する。このイスラエル版「空の忍者」の実戦初参加は18年5月のイラク攻撃とされていたが、その3カ月前に“敵地上空”を飛んでいたことになる。
イスラエルのF-35はこの際、イランの首都テヘランをはじめホルムズ海峡の要衝バンダレ・アバス港やカラジラーク、イスファハンといった主要都市の上空を旋回し偵察。一説にはイランの核関連施設なども偵察し、写真撮影などで多くの情報を得て引き上げたという。
この飛行直後に事態を報じた中東クゥエートの日刊紙「アル・ジャリーダ」によると、イラン空軍はこの侵入を全く探知できず、領空に入られたことさえ気づかなかった。スクランブル(緊急発進)やレーダー照射といった、侵入を探知した際に起こる当然の反応が全くなかったのだ。