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【河村直哉の時事論】韓国輸出管理 身勝手やめ大局観持つべし

 ここに見られる大局観はなかなかのものだ。反日感情は当時も強く、日韓条約調印前、韓国内では大規模なデモが起こった。朴演説には、反日感情を乗り越えて自由主義国が結束していこうとする姿勢が明確に出ている。

共産主義への冷静な認識

 朴元大統領は確たる反共の人だった。当時、自由主義国と共産主義国は正面から対立していた。朝鮮半島もこの対立に巻き込まれて分断されたのである。共産主義に対する朴元大統領の認識は鋭い。同じ演説から。

 「全体主義の挑発により、凄惨(せいさん)な事態が生れることを未然に防ぐためには、共産主義者がかかげるいわゆる協商ないし平和が、すべて偽装されたものであること、そしてそれが真の『目的』でなく、武力侵略をふくむ一切の侵略行為を可能ならしめるのに必要な『手段』であることを知らなければならないのであります」

 日韓請求権協定で供与された資金などにより、韓国は漢江(ハンガン)の奇跡と呼ばれる経済成長を果たす。共産主義への冷静な認識と自由主義国としての国家戦略を持ったこのような韓国保守の系譜が、現在、文在寅政権下では親日清算の対象となっているということになる。

 北朝鮮はその国家思想において、古典的といってよいほど共産主義的である。そのことを忘れるべきではない。独裁制が敷かれ、人権や自由を抑圧する。そこで掲げられる平和は、朴元大統領がいうように「偽装されたもの」なのである。アメリカとのこれまでの非核化交渉で、核やミサイルを保持したままどれほど巧妙に立ち回ってきているか、思い起こせばよい。

 文在寅氏には、おそらくそのような構図が見えていない。北朝鮮にいいように利用されてしまっている。やみくもな反日政策による日韓の対立は、北朝鮮に都合のよい事態なのである。

 朴元大統領を過剰に持ち上げるつもりもない。ただしその共産主義観、大局観は傾聴するに値する。反共とは単にイデオロギーの問題ではない。共産主義国の策謀を見抜き、自由・民主主義を守るということなのである。   (編集委員兼論説委員 河村直哉)

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