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【関西の夏】(1)記念の年、沸き立つ山鉾 京都・祇園祭

昨年の祇園祭で行われた前祭の山鉾巡行=平成30年7月17日、京都市下京区(鈴木健児撮影)
昨年の祇園祭で行われた前祭の山鉾巡行=平成30年7月17日、京都市下京区(鈴木健児撮影)
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 関西の夏には、風情がある。強固な信念と柔軟な発想が生み出した祭りや遊び、ビジネスがある。今年も暑さに逆らわずして負けないように、各地の営みを見てみよう。まずは京都・祇園祭から。

■災害や疫病と関連

 令和に改元された今年、京都・祇園祭は創始1150年を迎えた。国の重要無形民俗文化財指定から40年、ユネスコの無形文化遺産登録から10年と、記念ずくめの年に各山鉾町は沸き立つが、その起源は災害と密接な関係がある。

 「御霊会(ごりょうえ)」と呼ばれる祇園祭の原形が始まったとされる貞観11(869)年。八木透・佛教大教授(民俗学)によると、この年は東日本大震災とほぼ同地域で同規模の地震が起きた。東北を大津波が襲っただけでなく、夏には京都で疫病が大流行し、多くの死者が出たという。

 そこで、神泉苑(京都市中京区)で日本の安寧と幸福を祈り、当時の国の数と同じ66本の矛を作って、疫病や怨霊をもたらすと考えられた疫神をまつった。

 神様は、毎年みこしに乗って祇園社(八坂神社)から町中の御旅所に出かけて滞在し、また祇園社に戻った。疫病がはやる時期に神様をわざわざ連れてくるのは、自分たちの生活圏に招き入れて供物と芸能で丁重にもてなし、「守ってほしい」という切実な祈りを込めているという。

 「みこしを使った祭礼は全国どこでも見られるが、祇園御霊会が最初だった」と、八木教授は語る。

祇園祭で行われる主な神事。祭りは7月の1カ月間続く
祇園祭で行われる主な神事。祭りは7月の1カ月間続く
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 現在のような鉾や山が登場したのは、室町初期の14~15世紀。応仁の乱(1467~77年)以前の史料には、58基もの名が記されている。乱で焼けた山鉾は明応9(1500)年に復興されたが、現在の33基に近い数で落ち着いた。

 鉾と山の違いはなにか。鉾は「風流囃子物(ふりゅうはやしもの)」と呼ばれ、笛と太鼓に合わせて踊るにぎやかな歌舞がつきもの。祇園囃子につながる。鉾の中心部には、真木(しんぎ)と呼ばれる高さ約20メートルの柱を立てて、空からやってくる疫神を降り立たせる「依代(よりしろ)」の役目をした。

 一方、山は早くに依代としての意味を失い、物語や伝説の一場面を表現する移動舞台となったという。

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