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【ビブリオエッセー】見つめ直したい暮らしの文化 「京町家のしきたり 218年の『歳中覚』」杉本節子(光文社)

 杉本家は、江戸時代に始まる典型的な京都の商家である。その杉本家の日々の暮らしのしきたりや年中行事、それらが営まれる京町家を、当代の杉本節子さんが紹介してくれる。

 節子さんの柔らかな京ことばの語りにいざなわれ、しばし京町家の世界に遊ぶ。同時に、自分自身の暮らしを振り返ってみる。

 私の実家は香川県の農家である。生まれ育った家は「農家建築」ともいうべき家で、そこにも、日々の暮らしのしきたりや年中行事があった。しかし、三十余年たった今、そうしたものは、ほとんど見られなくなった。京町家が減少しているのとちょうど同じように。

 時代に合わせて暮らしが変化するのは当然のことである。しかし、その結果、長い間受け継がれてきた生活文化や精神文化が忘れ去られてしまうのは、非情に残念なことである。

 私は、今、香川県の農家の暮らしについて執筆している。杉本さんのこの本を読んで、郷土の先人たちが大切にしてきた文化を後世に伝えてたいと、強く思うようになった。

 ぜひ、大勢の人にもこの本を読んでもらい、そして、自身の暮らしを改めて見つめてもらいたい。

 京都市上京区 川上奈美 42

 【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

 投稿はペンネーム可。600字程度で住所、氏名、年齢と電話番号を明記し、〒556-8661産経新聞「ビブリオエッセー」事務局まで。メールはbiblio@sankei.co.jp。題材となる本は流通している書籍に限り、絵本、漫画も含みます。採用の方のみ連絡、原稿は返却しません。二重投稿はお断りします。

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