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NHK、幻の「竹島ドラマ」脚本見つかる

主人公が「人間の心ってほんとは隔たりなんかないんだ」と訴えかける「人のいる無人島」の脚本(鳥取大提供)
主人公が「人間の心ってほんとは隔たりなんかないんだ」と訴えかける「人のいる無人島」の脚本(鳥取大提供)
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 竹島(島根県隠岐の島町)を題材に、昭和28(1953)年ごろに鳥取市民が作ったNHK鳥取放送局のラジオドラマの脚本「人のいる無人島」が同市内で見つかった。竹島取材に向かった日本の新聞記者を主人公にした作品。海上保安庁の巡視船が韓国側から銃撃された事件を連想させる記述があるなど緊迫感が伝わる。「近づけもしない領土なんて、世界中にこゝ(こ)しかないね」という主人公のせりふが印象的だ。関係者は「当時の時代背景がよく分かる脚本」と評価している。

「これが日本の領土かい?」

 「人のいる無人島」は「竹島の実態をカメラに収めたい」と燃える30代くらいの新聞記者・大島が主人公。物語は竹島へと向かう木造船が舞台だ。

 同い年の船長と40代くらいの漁労長が竹島への上陸を断念するよう説得するが、大島は「僕の心が命じるんだよ。竹島に行けとね」と頑として引かない。

 銃撃される恐怖を感じながら竹島に向かうと、見えてきたのは竹島に掲げられた韓国旗だった。大島は「これが日本の領土かい?。島根県五箇村(現・隠岐の島町)かい?。おっかなびっくりで、近づけもしない領土なんて、世界中にこゝ(こ)しかないね」と嘆く。

 竹島に近づくと、舟に乗ったバケツを手にした「韓人」の青年が現れ、日本語で「しょうゆを分けてほしい」と懇願される。その目に敵意がないと感じた大島は、青年の舟で竹島に上陸し島をカメラで撮影する。物語は青年から大きなアワビをもらった大島のせりふで終わる。

 「人間の心ってほんとは隔たりなんかないんだ。ただ、それが国という名の垣とそしてゆがめられた先入観とが人間を支配し溝を深くしているんだ」

放送されなかった?

 脚本は、鳥取市の市民劇団「鳥取演劇集団」の創設者らが保管していた38編の脚本に含まれていた。鳥取大地域学部のグループが授業の一環で平成28年から3年をかけて研究。今年3月に脚本集にした。

 鳥取大地域学部の岡村知子准教授(日本近代文学)によると、執筆したのは、日本海新聞や日経新聞の記者として活躍した鳥取市出身の田賀市郎氏。NHK鳥取放送局がラジオドラマの放送のため、昭和21年2月に募集した「鳥取放送劇団」に脚本を提供していた。

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