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【一聞百見】建築“裏人生”インスタ映え200年前「ほんまもん」町並み再現 大阪くらしの今昔館館長・谷直樹さん(70)

昭和の町並みを再現した模型を見る谷館長。実はこの下に隠れ展示がある =大阪市北区、大阪くらしの今昔館(南雲都撮影)
昭和の町並みを再現した模型を見る谷館長。実はこの下に隠れ展示がある =大阪市北区、大阪くらしの今昔館(南雲都撮影)
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■思いが形に 展示作りにハマる

 大阪市立大学の名誉教授で建築が専門の谷さん。“裏人生”という博物館づくりの出発点とは…。「(京都大の)大学院を出てもなかなか就職がなくて、京都市史編纂(へんさん)のために資料整理のアルバイトをしていたら、梅棹忠夫先生(当時国立民族学博物館館長)と林屋辰三郎先生(当時京都国立博物館館長)から、『堺で博物館を造るから君が行きなさい』といわれたんです」

 とまどいながらも堺へ。行ってみると、オープンが1年半後に迫っていた。当時は、安土桃山時代の堺の豪商を主人公にしたNHKの大河ドラマ「黄金の日日」が放送された直後。訪れる観光客に堺という都市が一目でわかる博物館造りをめざすことになる。

 祭りの懸装品が発見されて展示方法を考えたり、中世の町並みを再現しようと資料を探していると、堺の町並みが描かれた屏風が発見されたり。その絵を基に町並みの模型を作った。アイデアや思いが形になっていく醍醐味(だいごみ)を知る。「完成して梅棹先生に『ようでけた』と言ってもらえて、その言葉にコロッといかれてしまった。博物館を造るというおもしろさが忘れられなくなりました」

 一方で、大阪の町家や長屋を保存・活用するプロジェクトにも長くかかわってきた。こちらは建築にかかわるいわば表人生だ。例えば、今昔館近くにある豊崎長屋(大阪市北区)とその主屋の大正建築、吉田家住宅。先の大戦でも焼けず現存する数少ない大阪町家だ。今昔館の展示資料を探しにいったら、家自体が貴重な文化財だった。「こんな建物、潰したら二度と建てられない」と家主を説得して耐震化。主屋だけでなく長屋も順番に耐震補強した。いわゆるリノベーションである。主屋には毎年、建具替え(戸やふすまなどを夏冬で入れ替える)などで市大の学生らが研修にやってくる。「くらしそのものを体験でき地域の活性化にもつながる…そんなことができればいいなと思っています」

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