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【ビジネスの裏側】製薬会社 薬に頼らない「ビヨンド・ザ・ピル」相次ぐ

 新薬開発には10年以上の年月と1千億円規模の研究コストがかかるとされるが、特許が切れれば後発薬に切り替わり収益は激減する。その中でアプリなどデジタル技術を用いた新領域は単独で収益事業になるだけでなく、既存薬と併用することもでき、薬の販路拡大にもつながると期待されている。

 大日本住友製薬はデジタル技術を用いた医薬品以外の新事業を「フロンティア領域」と位置づけ、2030年ごろまでに1千億円の事業規模に育てる計画を打ち立てている。

 米国ではリストバンド型のウエアラブル端末を使い、てんかん患者の症状を遠隔で確認する仕組みや、患者の心電図や肺活動、睡眠などの症状を遠隔で計測、管理できる「スマートシャツ」について開発を検討している。野村博社長は「デジタル技術を生かした医薬品以外の事業を、将来的には医薬品に次ぐ収益の柱にしたい」と意気込む。

 ただ、「ビヨンド・ザ・ピル」のビジネスモデルはまだ確立されていない。製薬企業のビジネスを大きく変え、収益を支える原動力となるか、注目が集まる。

(安田奈緒美)

     ◇

【用語解説】ビヨンド・ザ・ピル

 製薬企業が従来の医薬品事業を超え、デジタル技術を健康・医療分野などに生かして新事業領域に挑むこと。世界の製薬大手がアプリやウエアラブル端末を使った治療や健康管理事業に参入し始めているほか、英国では国を挙げてデジタルヘルスケア振興を進める。国内では製薬企業によるIT企業との連携やベンチャーへの投資が進む。米のリサーチ会社、グローバル・マーケット・インサイツによると日本のデジタルヘルスケア市場は、2017年で30億ドルだったのに対して、24年には201億ドルに拡大すると予測している。

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