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【夜間中学はいま】(9)在日二世、笑顔で振り返る9年

 社会の授業では学校のある堺市のことも学んだ。貧しい人々の救済や架橋、治水などの社会事業を行った奈良時代の僧侶・行基や、近代歌壇を代表する歌人・与謝野晶子らがこの地で生まれたことなどを知った。「そんな人らがおったから、今日の堺があるんやなあと思いました。知らんこと習うんはものすごく楽しいです」

 学校での学びは世界と自分がつながっていることを感じさせてくれた。学んだことをなかなか覚えられないのは確かだが、それでも残るものがある。「頭に入った知識は他人がとっていくことはできませんやん。一生懸命勉強して、あの世で先生になって、お母ちゃんに教えてあげたいなあと思いました」

後輩にエール

 大阪弁で淀みなく語る梧桐さんだが、夜間中学に入学するまで人前で話すのが苦手だった。それが近畿夜間中学校生徒会連合会の会長まで務めた。「学校に来て友達がいっぱいできました。性格が明るくなって、自信もつきました」

 両親の故郷の韓国と自分が生まれ育った日本。ともに思いは深い。ただ、野球やサッカーなどで両国のチームが対戦しているとき、梧桐さんが応援するのは日本だという。「しゃあないやろ、これは」と笑う。

 この9年間で夜間中学を取り巻く環境は大きく変わった。「外国人の生徒が増えました。私も外国人やけど」と苦笑しながら、「これからの夜間中学はどうなっていくんかなあ」と気にかける。「夜間中学の生徒はそれぞれいろんな事情を抱えていますが、みんなで力を合わせて頑張ってほしい」と後輩たちにエールを送った。

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