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【夜間中学はいま】(9)在日二世、笑顔で振り返る9年

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「知らんこと習うんはほんまに楽しい」と話す朴梧桐さん=堺市(安元雄太撮影)
「知らんこと習うんはほんまに楽しい」と話す朴梧桐さん=堺市(安元雄太撮影)

 夜間中学生の多国籍化が進む一方で、かつて最も多かった在日韓国朝鮮人は激減している。多くは戦後の混乱期に学校に通えなかった人たちだが、彼らの高齢化とともに生徒数も減少。それでも、今も学びを求めて通う人たちがいる。

71歳で入学を決心

 大阪で生まれ育った在日二世の朴梧桐(パク・オドン)さん(80)は、70歳を過ぎてから堺市立殿馬場中学校夜間学級に入学し、今春卒業した。「知らんこと習うんは、どれだけ楽しいことか。いろいろ教えてもらうと感動することが多いんです」。9年間の学びを満面の笑顔で振り返る。

 両親は戦前、韓国から渡ってきた。6人きょうだいの4番目。昭和20年、6歳のときに大阪大空襲にあい、家が全焼した。「戦争が終わって、それからがえらい苦労ですやんか。食べるものはない、寝るところもない」。韓国に帰る話もあったが、最終的に立ち消えとなり、長屋を借りて暮らした。「親が芋を拾ってきて、腐ったところを切って、蒸して食べさせてくれました。自分は食べんと。貧しい暮らしやったけど、親の愛情がありました」

 9歳のとき、遅れて小学校に入学した。1年生で習った文章をリズムに乗せて口ずさむ。「今も覚えてます。そやから、知識はやっぱり若いときに頭に入れとくもんやなと思う。今なんか聞いたこと、右から左に流れていきますやんか。先生には悪いけど、ほんまに覚えられへん」

 4年生になると給食代が払えなくなった。「学校に行くたび、先生にみんなの前で『給食代はもってきたか』といわれて。恥ずかしいし、つらいし、学校に行かなくなりました」

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