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【夜間中学はいま】(8)病の身の切実な願い「毎日授業受けたい」

必要な人いる

 今春、千葉県松戸市と埼玉県川口市の2カ所で新たに公立の夜間中学が誕生した。井上さんは、岡山にも公立の夜間中学ができれば、「日本の歴史を勉強し、理科の実験もしたい。無理をしてでも通いたい」と話す。だが、岡山県、岡山市はともに「現時点でただちに設置する状況にはない」との立場だ。

 理由は「ニーズがない」から。岡山県が平成28年度に夜間中学の必要性を調べる「ニーズ調査」を行ったところ、学び直しを希望する声は5件にとどまり、「週5日の夜間学級での学びを希望する人はわずか」と判断したという。

 ただ、約2年前から活動を始めた岡山自主夜間中学校で学ぶ人たちは約100人。実際に学びを求める人は相当数いるのではないか。県教育委員会の担当者に尋ねると、「自主夜間中学へのアンケートや聞き取りも視野に、あらためて不登校だった人たちの声を把握する方策も検討している」と話した。

 病と闘いながら自主夜間中学に通う井上さんは、働きたい、結婚もしたいと願っている。だが、「身体が病気にむしばまれているのが分かる」という不安がある。自分の人生に残された時間は短いのではないかという焦りもある。

 自分にできるのは、メディアを通じて、あまり知られていない自主夜間中学の存在をアピールすることだと考え、取材には積極的に応じている。「夜間中学を必要とする人がいる」と訴え続けたい。それが「自分がここにいた証になる」と井上さんは確信している。

◇    ◇

 「夜間中学」に関する体験談やご意見、ご感想を募集します。

 住所、氏名、年齢、電話番号を明記していただき、郵送の場合は〒556-8661(住所不要)産経新聞大阪社会部「夜間中学取材班」、FAXは06・6633・9740、メールはyachu@sankei.co.jpまでお送り下さい。

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