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【夜間中学はいま】(8)病の身の切実な願い「毎日授業受けたい」

仲間が励まし

 18歳のときに他界した母親に親孝行できなかったのも心残りだ。母親は長年、糖尿病で伏せっていたが、横になる時間が多いことを「何もしない」と感じていた。両親が離婚して母子家庭になった後、反抗期だったこともあり、口をきかなくなった。

 最近は、自分の病気も進行し、当時の母親のことも理解できるようになった。母親は病気の影響で、家事をしようにも動けないほど辛かったのだろう。井上さんも身体の調子が悪くなると、夜も眠れないほど足がうずく。「入院していた病院にもっと見舞いに行けばよかった。一人で病気と闘わせてしまったことを母親に謝りたい」

 病院と自宅の往復だった日常に変化が生じたのは、平成29年冬。医療関係者に勧められ、自主夜間中学に通うことになった。

 「パソコンを使うためにローマ字を覚えたい」。それが最初の目標。歌でアルファベットを学び、中学1年レベルの英語からスタートした。ただ、教科書の漢字が読めず、まず、国語の力をつける方が先だと思い直した。月2回の開講日に欠かさず通い、小学校の教科書を使いながら勉強している。

 今年2月、腕の血管が詰まって入院。一時的に首の血管から人工透析を受けた。入院先の病院には、自主夜間中学を運営する一般社団法人「岡山に夜間中学校をつくる会」の代表や生徒、スタッフらが見舞いに来てくれた。「励ましがうれしかった」。自主夜間中学が、自分の大事な居場所になっていたと実感した。

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