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園児の散歩コース、安全対策困難 住民の目届かず 大津事故1週間

保育園児が死傷した事故から1週間となり、現場近くの献花台の前で手を合わせる人たち=15日午前、大津市
保育園児が死傷した事故から1週間となり、現場近くの献花台の前で手を合わせる人たち=15日午前、大津市

 大津市大萱(おおがや)の交差点で、車2台が衝突し、弾みで1台が散歩中の保育園児らの列に突っ込み、園児2人が死亡した事故から15日で1週間となった。滋賀県や大津市は事故現場をはじめ、保育園などの散歩コースの点検に乗り出したが、園ごとに経路や時間が違うため地域住民の目が届きにくく、対策の難しさを指摘する声もあがっている。

 厚生労働省は保育の基本的事項を定めた「保育所保育指針解説」で、散歩などの園外保育について、「子供が四季折々の変化に触れることができる」として必要性を強調。そのうえで、散歩の経路に関しては「異常や危険性の有無、交通量を含めて点検し、記録を付けるなど、情報を全職員で共有する」としている。

 各自治体などは厚労省の指針に沿って「危機管理マニュアル」を設定。大津市は公立保育園の園長会が平成19年に策定したマニュアルで、散歩時には計画書を作成し、事前に下見を行うなどリスクを最小限にとどめることを求めている。

 事故を受け、大津市は、公立と私立の保育園、幼稚園などに散歩コースの提出を求め、7月中をめどに施設や県、県警と危険箇所を点検し、今年度中に必要な安全対策を完了させる。

 さらに、散歩コース周辺に、小学校周辺などで登下校時間帯の通行禁止や一方通行、速度規制などを求める「スクールゾーン」にあたる「キッズゾーン」(仮称)を設けたり、地域住民が登下校を見守る「スクールガード」に相当する「キッズガード」(同)を導入したりする考えで、国に財政支援を求めることを決めた。

 ただ、同市幼児政策課の担当者は「保育園などの散歩コースは無数にあり、散歩の時間も異なる。通行時間や経路が決まっている通学路のように地域住民の目を行き届かせるのは難しい」と明かし、「市や地域住民、保護者らが園児の散歩時間などを把握し、見守ることのできる仕組みが必要だ」と強調する。

 交通安全対策に詳しい名城大の若林拓史(ひろし)教授(交通工学)も「地域住民が危険な場所で注意を呼びかけることは効果的だ」と指摘する一方で、「通学路は住宅地にあることが多いが、散歩コースはそうとは限らず、見守りを行う地域住民を確保するのは難しいのではないか」と話している。

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