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【沖島から-春(下)】全島民が一つの家族

どこまで高くできるかな。たっぺい君(右)は、6年のゆうかちゃん(左)とチームを組み、楽しげに石を積み上げていった=17日午前、滋賀県近江八幡市(沢野貴信撮影)
どこまで高くできるかな。たっぺい君(右)は、6年のゆうかちゃん(左)とチームを組み、楽しげに石を積み上げていった=17日午前、滋賀県近江八幡市(沢野貴信撮影)
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 琵琶湖に浮かぶ沖島の朝は早い。島民の大半が漁師で、4月下旬ごろはアユ漁に出るため夜中に船を出す。沖へ出た船が戻ってくるのは、朝の午前6時すぎ。面積が大阪(伊丹)空港の半分ほどの島には、車もバイクもない。騒音とは無縁の静寂に包まれ、波の音が際立つ。

 島唯一の学校、滋賀県近江八幡市立沖島小に子供たちが登校してくるのは、その少し後だ。「おはようございます!」。子供たちのにぎやかな声に、島はにわかに活気づく。入学式から2週間が過ぎた4月中旬、1~6年の児童11人は遠足に出かけた。新入生のたっぺい君(6)の歓迎会も兼ねている。

 「沖島小へようこそ」。6年のゆうかちゃん(11)が開会のあいさつをすると、たっぺい君は「ありがとう」とはにかんだ。目指すのは島東部にある厳島(いつくしま)神社。しっかり者のゆうかちゃんを先頭に、年下の子供たちが続く。汗ばむ陽気の中、子供たちは道ばたの花を摘んだり、枝を振り回したりしながら、人一人がようやく通れるほどの湖岸の道を進んだ。エメラルドグリーンの湖面では、時折、漁船がエンジンをうならせながら行き交った。

     ◇

遠足は琵琶湖を望む厳島神社。石を積むゲームに勝って喜ぶ沖島小学校の児童=17日午前、滋賀県近江八幡市(沢野貴信撮影)
遠足は琵琶湖を望む厳島神社。石を積むゲームに勝って喜ぶ沖島小学校の児童=17日午前、滋賀県近江八幡市(沢野貴信撮影)
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 目的地に到着した子供たちは、石を積むゲームに挑戦。誰に指示されるでもなく上級生は自然と下級生とペアを組む。たっぺい君はゆうかちゃんと同じチーム。「これ置いたらいいかな」「この石は次にしようか」。声をかけ合いながら、高く積み上げていった。

 楽しかった遠足は2時間ほど。学校に戻って、全員が遠足を振り返る作文に取りかかった。沖島小に通うのは、たっぺい君のほか、3年2人、4年2人、5年4人、6年5人の計14人だ。3、4年生が同じ教室で勉強し、ほかは学年ごとに学んでいる。

 ただ、学年に関係なく全校児童が一緒に遊んだり、学んだりする機会も多い。教室での授業だけでなく、この日の遠足のように全校児童が参加する課外授業も季節ごとに行われる。

 教職員は校長、教頭を含め計10人。児童も教諭もいわば一つの家族のようだ。さらに、保護者や島の人たちみんなが子供たちを見守っている。

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