PR

産経WEST 産経WEST

【8050の実像-中高年ひきこもり61万人】(中)救えなかった孤立した親子

中高年ひきこもりの相談をする豊中市社会福祉協議会福祉推進室の勝部麗子室長=9日午後、大阪府豊中市(山田哲司撮影)
中高年ひきこもりの相談をする豊中市社会福祉協議会福祉推進室の勝部麗子室長=9日午後、大阪府豊中市(山田哲司撮影)

(上)「お前のせいで」母と子、十数年の葛藤

 「ガス事故の恐れがあります。家から出ないでください」。4月21日午後、京都市西京区の住宅地。異臭がするとの情報にガスマスクをつけた消防隊員らがこう呼びかけて、一軒の民家に入った。「郵便物がたまり、住人と連絡が取れない」。不審に思った民生委員がこの日、京都府警に駆け込んだことがきっかけだった。

 府警によると、この家の1階で、80代の母親と50代の息子の遺体が見つかった。いずれも死後1週間程度が経過していた。捜査関係者によると、母親は病死。遺書はなかったが、息子はその後自ら命を絶った可能性が高いことが、司法解剖で分かった。息子は長い間、ひきこもりだったという。

 近くの女性は「息子さんは数十年間にわたりひきこもっていて、年金で生計を立てているとお母さんが明かしていた」と話す。

 こんな証言もある。「民家から時折、男性が大声で怒鳴る声が漏れていた」。近くに住む男性は明かし、こう続けた。「仮に息子がひきこもりだったと知っていたとしても、2人にどうやって声をかけてあげればよかったのか」

契機は就労の挫折

 孤立した親子が遺体で見つかったり、子が親の遺体を放置して事件化するようなケースが最近目立っている。背景には、中高年のひきこもりの影がちらつく。

 ひきこもり問題に詳しい宮崎大の境泉洋(もとひろ)准教授によると、「就職が現実的に難しい中高年のひきこもり当事者の社会参加の場があまりに少ない。仕事がなければ社会とつながりを持てないという現状を変えなければ、孤独死などの問題はなくならない」と訴える。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ