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【野球がぜんぶ教えてくれた 田尾安志】「聞く耳」が自身を育てる

内野フライに倒れる阪神のジェフリー・マルテ。成功の鍵を見つけられるか=甲子園球場(撮影・門井聡) 
内野フライに倒れる阪神のジェフリー・マルテ。成功の鍵を見つけられるか=甲子園球場(撮影・門井聡) 

 故障で出遅れていた阪神の新外国人、ジェフリー・マルテ内野手がようやく1軍に合流した。日本での成功の鍵は、いいアドバイスができるコーチの存在。そして、本人に受け入れる素地があるか。米大リーグで実績を残した外国人には、プライドが邪魔をして日本人コーチの助言を素直に聞けない選手もいる。その結果、活躍できないまま帰国した例は数え切れない。

 来日5年目のシーズンを迎えた楽天のゼラス・ウィーラー内野手は今春のオープン戦で不調だった。球場で練習を見ていて、好調時にできていた打撃の形が崩れているのに気付いた。そばにいた球団の米国人スタッフに直すべき箇所を指摘すると、すぐに本人を呼び、僕の話を説明した。ウィーラーは打席に戻ると早速、修正に取り組んだ。感触をつかむと、こちらに向かって親指を立てるジェスチャーで謝意を示した。

 謙虚さや柔軟な思考が大切なのは、外国人に限らない。楽天の初代監督を務めた2005年は、高須洋介内野手(現楽天2軍育成総合コーチ)の上達ぶりが印象に残っている。近鉄でプレーした前年は打率1割台(1割6分3厘)。ほぼ守備だけの選手だった。

 2月のキャンプで助言したのは、ボディーを動かすことと、グリップの位置を耳寄りにすること。すると、開幕前には体の使い方が変わり、力強い打球を飛ばせるようになっていた。05年シーズンは打率2割7分8厘を記録。06年には3割を打つまでになった。

 打率が2割そこそこに低迷している打者は、何かにすがりたい思いでアドバイスに食いついてくる。だから、教える側は悪い部分を直しやすい。しかし、2割7~8分の打者は「打ち方を変えると、成績が落ちるかも」という怖さが先に立つ。すると、思い切って他人の意見を取り入れづらくなる。指導の即効性が表れにくいため、教える側も苦労する場合が多い。

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