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【沖島から-春(上)】2年ぶり 島に「宝」やってきた

満開の桜に迎えられ、沖島小学校に入学したたっぺい君=4月8日、滋賀県近江八幡市(沢野貴信撮影)
満開の桜に迎えられ、沖島小学校に入学したたっぺい君=4月8日、滋賀県近江八幡市(沢野貴信撮影)
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 琵琶湖に浮かぶ人口約250人の沖島。生命が息吹(いぶ)く春の訪れとともに鳥のさえずりが響き渡り、桜が一斉に小さな島を彩る。

 この春、島唯一の学校である滋賀県近江八幡市立沖島小に、新しい仲間がやってきた。2年ぶりの新入生となるたっぺい君(6)だ。

 入学式を迎えた4月8日朝、沖島の対岸にある堀切港(同市)。スーツを着ておめかししたたっぺい君は、両親に手を引かれて船を待っていた。「ネコにたくさん会えるから、学校に行くのが楽しみ」。島は、ネコがたくさん住む「猫島」としても知られ、ネコ好きのたっぺい君は早くも大はしゃぎ。船に揺られて10分ほどで、沖島に到着した。

 明治8(1875)年創立の沖島小が島外からの入学を受け入れるようになったのは、平成20年度から。昭和35年度に129人いた児童が、平成14年度には5人にまで減少したことがきっかけだった。今年度の児童数は14人、大半が島外からの越境通学だ。

 たっぺい君が近江八幡市内の市街地から沖島小に通うには、毎朝5時台に起きてバスと船を乗り継がなければならない。それでも、母の堀川晶子(あきこ)さん(42)が「落ち着いた環境で勉強してほしい」と入学を決めた。豊かな自然に少人数教育-。子供が育つ環境としては魅力的なようだ。

 「小学校は島の宝や。子供の声が聞こえてくるだけで元気がもらえる」。こう語るのは、島の南西部にある西福寺の前住職で、沖島小OBでもある茶谷文雄さん(71)。

 茶谷さんが子供のころは、全校児童は100人超もいた。皆で毎日のように島内へ冒険に出かけ、夏になれば水泳に魚釣り、秋には山にマツタケを採りに登った。小学校を卒業したら島外の中学校に通い、また島に戻って仕事に就くというのが一般的だった。茶谷さんも近江八幡市職員として島外に通勤する傍ら、島で住職だった父を手伝っていた。

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