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【うめきたto the world】「親分」と探る大阪の可能性

 大阪市立中央図書館(同市西区)の角地に「木村蒹葭堂(けんかどう)邸跡地」の碑がある。蒹葭堂は江戸中期に活躍した町人で本草学者にして文人、画家であり、書画骨董(こっとう)などを収集するコレクターとしても知られる人物だ。

 彼の書斎の名称でもある蒹葭堂には、当時の文化人から大名までが諸国から集い、知の交流が盛んに行われていたという。まさに、全国に名を知られた一大文化サロンだったのだ。蒹葭堂は現在も「浪速の知の巨人」「知のネットワーカー」と評されている。

 そんな木村蒹葭堂の存在を教えてくれたのが大阪ガスエネルギー・文化研究所(CEL)前所長(現顧問)の池永寛明さんだ。池永さんは、大阪駅北の知的創造・交流の場「ナレッジキャピタル(KC)」(大阪市北区)に対し「現代の木村蒹葭堂を目指すべきだ」とハッパをかけてくれたのだ。

 KCには大学や研究機関をはじめ行政、企業など多様な参画者が集う。CELもその一つだ。加えて池永さんにはナレッジキャピタル大学校などのプログラムやイベントにも参加・協力いただいている。

 「イノベーションは突然起きない。私たちが受け継いでいる文化的本質を掘り起こし、それを現在に合わせて再起動することが重要だ」と池永さんは説く。自身が発行人を務める情報誌CELで提唱した「都市・地域のルネッセ(再起動)」という考えだ。

 未来と過去に依存するのではなく、現在を直視し、過去-現在-未来の時間軸をつなぎ、新たな価値を創造する。そのためには考え、実行する先駆者だけでなく、それを理解して受け入れ、応援していく土壌や社会が必要だ、という池永さんの考えには全く同感である。

 私は池永さんのことを畏敬の念と親しみを込めて「親分」と呼んでいる。これからも親分とともに大阪・関西の可能性について語り、実践していきたいと考えている。

【プロフィル】野村卓也(のむら・たくや) 一般社団法人ナレッジキャピタル総合プロデューサー。大阪府生まれ。平成4年にスーパーステーションを設立し、現在も社長を務める。グランフロント大阪の中核施設「ナレッジキャピタル」の開業に先立ち、20年からコンセプト立案や事業戦略などを手がけた。関西大大学院、大阪芸術大、大手前大の客員教授。29年から内閣府政策参与も務める。

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