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【世界を読む】中台韓越…熾烈 日本企業の外国人大卒の人材争奪戦

 人口減少が続く日本で、働き手不足が深刻化している。政府は4月、新たな在留資格「特定技能」の外国人の受け入れを開始したが、対象は人手不足が深刻な14業種で人数や対象国も限られている。こうしたなか、日本企業でいわゆる総合職やホワイトカラーとして外国人正社員を採用する動きが加速している。留学生が集まる外国人向けの合同企業説明会は「日本人だけに目を向けるより、高度な人材が採用できる」と大企業、中小とも高い関心を示している。(石川有紀)

高度な人材をめぐる熾烈(しれつ)な競争…大阪市内で開かれた日本企業の就職説明会で、応募企業を見定める留学生ら=11日(前川純一郎撮影)
高度な人材をめぐる熾烈(しれつ)な競争…大阪市内で開かれた日本企業の就職説明会で、応募企業を見定める留学生ら=11日(前川純一郎撮影)
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 ■中小にも「優秀な新卒」

 大阪市内で4月11日に開かれたパソナ主催の外国人向け企業説明会「JOB博」には、大企業から中小企業まで27社のブースが並んだ。留学生ら約500人が来場。企業の採用担当者や外国人社員が英語や中国語で、自社をアピールする声が飛び交った。社長自ら質疑に答える企業もあり、早くも人材争奪戦の様相を呈していた。

 大阪府和泉市の金属加工業、正栄工業経営戦略室の足利晋室長は、外国人採用の手応えを感じているひとりだ。

 「うちのような小さな企業に、アジアの国立大卒や優秀な技術者が入社してくれた。日本だけに目を向ける必要はないんだと気付いた」

 昨年から外国人の新卒採用を日本人大卒社員と同待遇で始めた。それ以前の新卒採用は地元の高校の推薦に頼る状況だったが、採用を外国人に広げると大卒技術者を確保できるようになったのだ。

 外国人にとっても、日本の中小企業の家族的な援助が大きな魅力になっている。

 台湾の楊問渠(ヨウ・ブンキュウ)さん(22)は昨年、台湾師範大の化学学科を卒業して正栄工業に入社した。当初は台湾より日本の給与水準が高いことが志望動機だった。しかし足利さんら会社幹部が台湾の両親に挨拶に訪れ、日本の住まい探しまで親身にサポートしてくれたことが極め手になったという。入社後は現場研修で高精度な金属加工技術など「ものづくりを勉強できる」とやりがいを感じている。

 正栄工業の従業員約50人のうちいまでは約3分の1が中国、台湾、ベトナムなど外国人が占める。社員が増えるとともに、受注や売上げも伸びた。足利さんは「将来社員が母国に戻ることも想定して、海外の営業拠点や工場も計画中です」と話した。

高度人材…日本で働く外国人は増えている
高度人材…日本で働く外国人は増えている
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 3月29日には大阪市内で、韓国政府系の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が、日本企業と韓国人をつなぐ就職面接会を開催した。30社の枠に50社が申し込み、参加できない企業も出る盛況ぶりだ。

 日本で働く先輩社員によるセミナーも開かれ、広告宣伝や国際会議を手がけるサクラインターナショナル(大阪市中央区)に入社して4年目の黄善禧(ファン・ソニ)さんが「日本企業では先輩に教わったりチームで仕事する機会が多く、日本語力が重要になる」とアドバイスした。同社は従業員約220人のうち外国人が約15%となり、大阪の国際イベント増加で海外顧客獲得の強みになっている。

(次ページ)韓国は就職難どっと日本に…技能実習も専門的分野も「倍増」

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