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〝名付け親〟万葉集研究・中西進さんに聞く 「令和」うるわしき精神

 その後、旅人の去就が注目されるなか、旅人は藤原氏に琴を贈りました。そして書状で自分を琴になぞらえて、自分の生き方を宣言するんです。「あなた方は私の軍事力を気にしているけれど、私は役に立つつもりはありませんし、反対に、あえて戦いを望んであなたと対峙(たいじ)することもありません」と。

 どうですか? この品格にしみじみと感動しませんか。万葉歌人の中でも旅人こそは最も高邁(こうまい)で一番すてきな男性です。

 --旅人の子で万葉集の編纂者(へんさんしゃ)と目される大伴家持(おおとものやかもち)も、暗に藤原氏の専横に和歌を通じて抵抗していました

 中西 そうですね。しかし対立する2つの勢力があるとき、選択肢は戦いか屈服しかないと考えがちですが、私は必ず第3の選択肢があると思っています。それを世界に示すことができるのが日本であり、日本の務めであると考えています。

◆心のよりどころ

 --万葉集が編まれた天平の時代は、正倉院御物に見るように、多くの渡来人がやってきて大変国際的な時代でした。そして仏の力によって天下太平を実現しようと大仏開眼が行われるなど、現代に通じるものを感じます

 中西 天平時代は、さまざまな混乱を乗り越えて、平和な社会を築こうとした時代でした。ですから「天平」という元号には必死の願いがこもっていたと思います。

 そのなかで美術や文学などの文化が栄えた。和歌的なものがもてはやされ、平和への祈りや、さまざまな人々の偽らざる歌声となった。そういう歌が万葉集としてまとめられ、遺産として残っているのです。

 万葉集の中に息づく平和への祈りを実現するのが、「令和」の時代の役割だと思います。

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