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〝名付け親〟万葉集研究・中西進さんに聞く 「令和」うるわしき精神

 --元号で「令」の文字が使われるのは初めてで、新元号の発表後、さまざまな異論が出ました。「令」は「零」につながるから「平和がゼロ」だとか「ゼロ和(ゼロサム)社会」を象徴しているようだとか

 中西 「令」は「ご令息」「ご令嬢」と使われるように、形が整って美しいさまを表します。それが本来の意味です。論語をつぶさに研究したことがありますが、論語では美しいことは善であり、善は最高の価値なのです。

 零をゼロの意味に用いるのは外来語のいわば当て字ですから、「令和」を「ゼロ和」だというのは当たらないですね。

 ほかにも命令や律令の「令」だから官僚主義的で良くないという声を耳にしましたが、良い命令だからこそみんなが従うのです。悪い命令は後で破綻をきたしますよね。

 もちろん「令」は辞書にいろいろな言いかえが書かれていますが、意味が別々にあるのではありません。これらはさまざまな文脈の中で使われる場合をあげているわけで、それに振り回されるのは、辞書を使っているのではなくて、辞書に使われているのです。

◆万葉歌人の品格

 --典拠となった万葉集は日本最古の歌集であり、庶民の歌まで収録しているという点で世界にも類例がないといわれています。その一方で戦前、軍国主義を正当化するために利用されてしまったという歴史をもっています

 中西 権力者が自分の都合で古典を利用するのはありがちな誤りですが、万葉集は本来、勝者のおごりを表現するものではありません。

 なぜ旅人が大宰府の帥になったかというと、当時の新興勢力であった藤原氏が、一族出身の光明子を聖武天皇の皇后にしようとして、邪魔な旅人を左遷したからです。続いて藤原氏は、左大臣の長屋王を自害に追いやった。

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